コラム

捻挫を早く治す方法 - 正しい応急処置、リハビリのポイントと再発防止のチューブトレーニング

捻挫は、スポーツや日常生活での急な動きによって発生する、決して珍しくない怪我のひとつです。足首やひざ、手首などの関節を捻ることで、靭帯や筋肉に損傷が生じます。

捻挫の症状は、痛み、腫れ、内出血、関節の不安定感などが挙げられます。適切な処置とケアを行わないと、回復が遅れたり、後遺症が残ったりする可能性があります。また、一度捻挫すると再発のリスクが高くなります。そのため、捻挫の正しい応急処置やリハビリの方法を知っておくことが大切です。

本記事では足首の捻挫に焦点をあてて、捻挫の早期回復を目指すための応急処置とリハビリの方法、治療期間の目安、再発予防のための筋力トレーニングなどについて、詳しく解説します。捻挫を経験した方や捻挫を予防したい方は、ぜひ参考にしてください。

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この記事を監修した人
増本航太
VRTX編集部 | 理学療法士

この記事を監修した人
増本航太|理学療法士

西九州大学大学出身。大学卒業後は理学療法士として総合病院で勤務。NICU(新生児集中治療室)を含む救急医療から終末期までの幅広い疾患を経験。入院患者のリハビリを行っていく中で、退院後の生活の重要性を感じ、現在は整形外科のクリニックで外来のリハビリに携わる。

捻挫の応急処置 - RICE処置で早期回復を目指す

捻挫の応急処置として、RICE処置が広く知られています。RICE処置とは、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字をとったもので、これらの処置を適切に行うことで、捻挫の早期回復を目指すことが可能です。

それぞれの処置の目的と方法について詳しく解説します。

Rest(安静)- 患部の負担を軽減する

捻挫した直後は、患部を安静にすることが大切です。無理に動かしたり、体重をかけたりすると、さらに損傷が広がる可能性があります。患部を動かさずにできるだけ安静にすることで、炎症の拡大を防ぎ、回復に集中することが可能です。

Ice(冷却)- 腫れと痛みを抑える

捻挫直後は、患部を冷やすことが重要です。アイシングを行うと血管が収縮し、損傷を受けた部分の血流を低下させることができるため、腫れや痛みを軽減させることができます。

具体的な方法は、氷嚢やアイスパックを患部に当てて15〜20分程度アイシングを行うようにしましょう。

また20分以上冷やしてしまうと、凍傷になる可能性もあるため、長時間の冷却は行わないようにしてください。氷嚢などは直接肌に当てず、タオルなどで包んでから使用しましょう。

Compression(圧迫)- 患部の安定化を図る

患部を適度に圧迫することで、捻挫した関節や筋肉の安定化を図ることができます。圧迫することで、腫れを抑え、関節の動きを制限し損傷のリスクを軽減することが可能です。

ただし、圧迫しすぎると血行が悪くなりすぎるので、適度な力加減で行うようにしましょう。

Elevation(挙上)- 腫れを軽減する

捻挫した部位を心臓より高い位置に挙上することで、腫れを軽減することができます。

例えば、足首を捻挫した場合は、足を椅子やクッションの上に乗せることで、患部を高いポジションに置くことが可能です。挙上することで、患部への血液の流れを抑え、むくみを改善する効果が期待できます。 

以上のRICE処置を適切に行うことで、捻挫の早期回復を目指すことができます。ただし、症状が重い場合や改善が見られない場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

捻挫の回復を早めるストレッチとセルフケア方法

捻挫の応急処置に加えて回復を早めるには、リハビリとして日常的なセルフケアを行うことが重要です。ここでは、ストレッチとマッサージ、サポーターとテーピング、湿布の活用について詳しく説明します。

これらのセルフケア方法を適切に行うことで、捻挫の回復を促進し、再発のリスクを軽減することができるため、しっかりと取り組みましょう。

1. ストレッチとマッサージで血行を促進

捻挫が落ち着いてきたら、患部の血行を促進するためにストレッチとマッサージを行いましょう。

ストレッチは、関節の可動域を維持し、筋肉の柔軟性を高める効果があります。患部を伸ばすように、気持ちいい範囲でゆっくりと動かしてください。痛みを過度に出してしまうと、悪化する可能性もあるため、無理はしないようにしましょう。

足首の捻挫で特に伸ばしておきたいのは、ふくらはぎにある「下腿三頭筋」です。

患部周辺の筋肉をほぐすマッサージには、血流を改善する効果があります。捻挫をして痛みが出ると、足首周りの筋肉がガチガチになっているため、痛みが出ている筋肉をゆっくりとほぐしていきましょう。

(腓腹筋ストレッチ:00:00〜、マッサージ:04:44〜、ヒラメ筋ストレッチ:11:40〜)

ポイント

  • 気持ちいい範囲で行う
  • 過度に伸ばしすぎると、筋肉の損傷の可能性があるため注意
2. サポーターとテーピングで患部を保護

捻挫した部位をサポーターやテーピングで保護することで、再度の損傷を防ぐことができます。

サポーターやテーピングは、関節の動きを制限し、安定性を高める効果があります。これらを活用することで、日常生活での患部への負担を軽減し回復を早めることができるでしょう。

ただし、装着する際は適度な圧迫になるよう注意してください。

3. 湿布の活用で痛みと炎症を緩和

捻挫の痛みや炎症が持続する場合は、湿布を活用することで緩和することができます。湿布には、消炎鎮痛効果のある成分が含まれており、患部に貼ることで症状を和らげることが可能です。

ドラッグストアなどで市販されているので、薬剤師のアドバイスを参考にしながら適切な製品を選んで使用するようにしましょう。ただし湿布を連続して使用すると、皮膚のトラブルを引き起こす可能性があるので、注意が必要です。

以上のセルフケア方法を、捻挫の状態に合わせて適切に行うことで症状の軽減が期待できます。

捻挫の治療期間の目安

捻挫の重症度は、軽度(1度)、中等度(2度)、重度(3度)の3段階に分類されます。それぞれの重症度における治療期間の目安は以下の通りです。

軽度(1度)の捻挫:

  •   靭帯の一部が損傷していますが、関節の安定性はほぼ保たれています。
  •   治療期間は1~2週間程度です。

中等度(2度)の捻挫:

  •   靭帯の損傷がより大きく、関節の安定性が部分的に失われています。
  •   治療期間は3~6週間程度です。

重度(3度)の捻挫:

  •   靭帯が完全に断裂し、関節の安定性が大きく損なわれています。
  •   治療期間は6週間以上かかることがあります。

ただし、これらの治療期間はあくまでも目安であり、個人差があることを理解しておきましょう。

捻挫が治らない時の対処法

捻挫の治療を適切に行っても、症状が改善しない場合や再発を繰り返す場合があります。そのような時は、適切な対処法を知り、再発予防に努めることが大切です。

症状が改善しない場合は医療機関へ

捻挫の治療を行っているにも関わらず、以下のような症状が見られる場合は、医療機関を受診することをおすすめします。

  • 痛みや腫れが強く、一向に改善しない
  • 関節の動きが制限され、改善が見られない
  • 捻挫を繰り返し、慢性的な不安定感がある
  • 損傷部位に変形や変色が見られる

これらの症状が見られる場合は、より重度の損傷が隠れている可能性があります。

医療機関では医師による触診や画像検査などの検査を行い、正確な診断に基づいて適切な治療方針を立てることができます。症状が改善しない場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

捻挫の再発を防ぐためのチューブトレーニング

捻挫の再発を防ぐためには、患部周辺の筋力を強化することが重要です。以下のようなチューブトレーニングを取り入れることで、関節の安定性を高め、再発のリスクを軽減することができます。

1. カーフレイズ

ポイント

  • 膝が少し曲がってもOK
  • しっかりとつま先を伸ばし切るようにする
2. バランストレーニング

ポイント

  • 転倒に注意する
  • 体幹や股関節がぶれないように意識する

筋力トレーニングは、捻挫が治癒した後に行うようにしましょう。急性期の痛みや腫れがある時期は、無理なトレーニングは避けてください。

また、トレーニングの強度や頻度は徐々に増やし、痛みや不安定感がある場合は中止するようにしてください。再発予防のための筋力トレーニングを適切に行うことで、捻挫のリスクを減らし、健康的な生活を送ることができます。

トレーニングチューブを使って筋トレするときの注意点

チューブを使用することで効果的な筋トレが行えますが、注意点が2つあります。

まず1つ目は自分の負荷にあったチューブを使用するという点です。ダンベルと一緒で、重すぎても軽すぎても効果的なトレーニングとはなりにくいので、可能であれば複数の硬さを試してみるとよいでしょう。

つぎに2つ目はチューブの破損に注意することです。常に素材も進化していますが、それでも時間の経過とともに劣化は免れません。トレーニングの前後にはチューブの状態をチェックするようにしましょう。

動画のなかでも紹介したVRTXバンドは、従来のトレーニングチューブの課題であったゴムの耐久性が改善されており、切れることはなく安全性が高いチューブです。そのため初心者でも安心して使用でき、快適なトレーニングが可能です。

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また、VRTXバンドは7段階の強度(1キロから91キロまで)を提供しています。初心者の方でも適切な負荷でトレーニングができ、進捗に合わせて徐々に強度を上げることができます。自分の体調と相談しながら、適切なアイテムを選ぶようにしましょう。

まとめ

捻挫の早期回復には、RICE処置とリハビリが重要です。しかし、ストレッチや筋トレなどのリハビリを間違った強度で行ってしまうと、さらなる悪化に繋がる可能性があります。

症状が改善しない場合や再発を繰り返す場合は、医療機関で専門的な診断と治療を受けることも頭に置いておいてください。適切なケアと予防策を行うようにして、捻挫の早期回復と再発防止を目指しましょう。


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