コラム

チューブトレーニングで肩こりを解消する方法とは?理学療法士が徹底的に解説!

慢性的に続く肩こりに悩まされていませんか?

肩こりはもはや国民病のひとつと言っても過言ではありません。実際に厚生労働省が発表している「国民生活基礎調査」の「自覚症状の状況」によると、男性では腰痛の次に多いのが肩こりで、女性では肩こりの訴えが最も多いと発表されています。

今回の記事では簡単にできる肩こりの解消法について解説しますので、参考になれば幸いです。

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この記事を監修した人
増本航太
VRTX編集部 | 理学療法士

この記事を監修した人
増本航太|理学療法士

西九州大学大学出身。大学卒業後は理学療法士として総合病院で勤務。NICU(新生児集中治療室)を含む救急医療から終末期までの幅広い疾患を経験。入院患者のリハビリを行っていく中で、退院後の生活の重要性を感じ、現在は整形外科のクリニックで外来のリハビリに携わる。 

肩こりのメカニズムと原因

肩こりを感じたときに落ち着いて対処するには、肩こりのメカニズムや原因について知ることも必要です。では、肩こりのメカニズムや原因について詳しく解説します。

肩こりが起こるメカニズム

肩こりが起こる原因は様々ですが、主なメカニズムは重たい頭や2本の両腕を首や肩で支えるときの負担によって起こると考えられています。

しかしその負担の度合いは、その人の筋肉や靭帯の強度、疾患の影響、業務内容や心理状況によって変化します。

そのため肩こりに適切に対処していくには、自分の肩こりの原因がどこにあるのかを追求することが重要です。

肩こりの一般的な原因

肩こりは姿勢不良や生活習慣、業務内容の影響によるものなど原因が明らかでない場合が多いです。しかし肩こりのなかには原因となる疾患が隠れている場合もあります。

肩こりの原因疾患と聞けば、通称五十肩とも呼ばれる肩関節周囲炎といった整形外科に関する疾患を想像するかもしれません。ですが肩こりの原因となる疾患は、狭心症や胆石症といった内科の疾患という可能性もあります。

そのため単なる肩こりと侮るのではなく、適切な対処が必要であることを知っておきましょう。

肩甲骨の構造とチェック方法

両腕を支える重要な役割を担うのは肩甲骨です。肩甲骨は多数の筋肉や靭帯が付着しており、いくつかの骨とも連結し以下の関節を構成します。

  • 肩甲骨と上腕骨で構成される「肩甲上腕関節」
  • 肩甲骨と胸郭で構成される「肩甲胸郭関節」
  • 肩甲骨と鎖骨で構成される「肩鎖関節」

そのため肩甲骨は肩の動きと密接な関わりを持っているため、肩こりを適切に対処していくには見過ごしてはなりません。

肩甲骨のチェック方法

肩甲骨をチェックする簡単な方法は、肩甲骨が背骨の何番目にあるかで適切な位置にあるかどうかを見る方法です。

肩甲骨は以下の画像のような形をしていて、それぞれ部位に細かく名前がついています。肩甲骨の位置を知るときに必要な場所は、「上角」と「下角」と「内側の縁」です。

一般的な肩甲骨の正常な位置は以下のように言われています。

  • 上角:胸椎の2番目
  • 下角:胸椎の7〜8番目
  • 脊柱から肩甲骨の内側までの距離が指3〜4本分

肩甲骨に付着する筋肉が固くなったり、弱くなったりすることで肩甲骨の位置が変化し、首や肩の負担が強くなり肩こり症状を出現する可能性が高くなります。

また、肩甲骨の位置に明らかな左右差がないかどうかも重要なポイントとなりますので、ぜひチェックしてみてください。

肩甲骨の動きの改善法

特にデスクワークが中心の人は、背中も丸まりやすく肩甲骨の動きが悪くなりがちです。デスクワークで肩甲骨の適切な動きを保つために意識してほしいポイントは2つあります。

まず1つ目は自分にあった環境を作ることです。
椅子やデスクが低く目線が下を向いた状態が続くと、背中も曲がりやすく肩甲骨の動きも悪くなり、肩こりの症状へとつながる可能性があります。

使用している道具を見直すことで肩こりが軽減できることもあるため、仕事を行う環境も見直してみましょう。

次に2つ目は長時間の同一姿勢を避けることです。
どんなに良い環境や筋肉を持っていたとしても、ずっと同じ姿勢で身体をキープし過ぎると徐々に筋肉は疲労し、痛みも出現してきます。

そのため適度に休憩を挟んだり、時折立つ時間を作るなどして、座っているときに働いている筋肉を休ませることも重要です。

チューブを用いて肩こりを解消する方法とは?

肩こりが続くとつい運動不足になったり悪い姿勢も続いたり、そしてまた痛みが強くなってさらに体力が低下して・・・といった悪循環に陥ることが多いです。

日常生活に運動を取り組むことが、悪循環から脱出するための第一歩となります。

しかし運動を取り入れようにも時間がなかったり、そもそも何を何から始めたらいいかわからない方も多いのではないでしょうか?

そんな方におすすめなのがチューブトレーニングです。

椅子に座ったままでも運動を行うことができるため、ちょっとした空き時間に行うことができます。

チューブを使うと自重で行うトレーニングよりも負荷をかけることができるため、効率的に運動を行うことが可能です。 

チューブトレーニングで強化したい肩甲骨周辺の筋肉

肩こり解消のために意識したい筋肉は以下の4つです。それぞれ詳しく解説します。

  • 後頭下筋群
  • 僧帽筋上部・肩甲挙筋
  • 僧帽筋中部・僧帽筋下部
  • 前鋸筋

後頭下筋群

後頭下筋群は頭部と頚椎を繋いでいる筋肉です。大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋の4つの筋肉から構成されています。

背中が丸くなるなどの不良姿勢が続いていると、後頭下筋群が常に収縮している状態となり過緊張となってしまいます。

眼球運動とも関連がある筋肉のため、目を使うことが多い方は特に注意したい筋肉です。

僧帽筋上部・肩甲挙筋

僧帽筋上部と肩甲挙筋は肩甲骨の上角に付着している筋肉です。

 

背中が丸い状態が続くと肩甲骨は外側に偏位し、僧帽筋上部と肩甲挙筋は伸ばされる状態となるため、痛みの原因となる場合もあります。

交感神経が優位となり身体が興奮状態が持続しているときにも力が入りやすい筋肉のため、ときには肩の力を抜くことも心がけましょう。

僧帽筋中部・僧帽筋下部

僧帽筋の中部と下部は、背中が丸くなってくると弱りやすい筋肉のひとつです。

僧帽筋中部と下部は、腕を高く上げるときに肩甲骨を安定させる役割も持っているため、この筋肉が弱くなると無理をして肩を上げるような動きとなるのです。

実際に論文においても「肩よりも上に肘がくる作業姿勢」が多い仕事をしている人は、肩こりの発症リスクが約1.3倍とも報告されています。

洗濯物を干したり台所の上の棚にものを置くなど、腕を高く上げる動きがだれもが多いため、特に意識しておきたい筋肉のひとつです。

前鋸筋

前鋸筋も肩甲骨の安定に関与する重要な筋肉のひとつです。

また前鋸筋は僧帽筋の中部や腹筋群とも連結しているため、体幹と肩甲骨をつなぐ役割も担っています。

僧帽筋と同様、肩を動かすときの基盤となる筋肉なので、トレーニングするときは意識しておきましょう。

チューブトレーニングで肩こりを解消する方法を紹介【動画解説付き】

実際にチューブを使った肩こり解消のためのトレーニングを紹介します。動画も一緒に見ながら取り組んでみましょう。

首周りのストレッチ2種目

ストレッチ ①:やり方

  1. バンドを1本の状態にして頭の後ろに回して後頭部に引っ掛ける
  2. 顎を引いた状態をキープして、バンドを前方に引っ張る
  3. 2の姿勢のまま30秒保持する
◉ ポイント
  • 伸びている感じがあるのは首の後ろ側になるように行う
  • 頭が前に出過ぎると効果が薄れるため、後頭部は後ろに惹きつけておく

ストレッチ②:やり方

  1. 左手でバンドを持ち、頭の右側に引っ掛ける
  2. バンドを腕の重みを使って引っ張って、首を左に倒す
  3. 2の姿勢のまま30秒保持する
  4. 左側も同様に行っていく
◉ ポイント

・伸びていない方の肩を下げておく

肩周りのチューブトレーニング5種目

① 肩回し:やり方

  1. チューブを肩幅に持つ
  2. 肩を回すイメージで後ろに動かしていく
  3. 30秒繰り返す
◉ ポイント
  • 後ろに回すときに胸筋のストレッチを感じる
  • 背中が丸まらないように、胸を張って首を長くする

② 背中ストレッチ:やり方

  1. 両手をバンザイの位置に持ち上げる
  2. バンザイした状態のまま身体を左側に倒す
  3. 身体を倒しきったら、またまっすぐの位置に戻る
  4. 2と3の動きを30秒繰り返す
  5. 右側も同様に行っていく
◉ ポイント
  • 脇の下から脇腹あたりが伸びる感覚を意識する

③ ラットプル:やり方

  1. 両手をバンザイの位置に持ち上げる
  2. 肘を曲げながら身体の前と後ろにおろしていく
◉ ポイント
  • チューブを横に開きながら動かして、背中周りの筋肉を刺激する

④ ローイング:やり方

  1. 腕を下ろして肘が直角のまま、チューブを下から握って肩幅に開く
  2. 肘を後ろに引くように動かしていく
◉ ポイント
  • 動かしたときに肩甲骨を寄せるイメージ
  • チューブを横に開きながら動かして、背中周りの筋肉を刺激する

⑤ スーパーマンブル:やり方

  1. うつ伏せになってチューブを肩幅程度に握り、バンザイの姿勢をとる
  2. デコルテあたりまでチューブを引きながら身体を少し持ち上げる
  3. チューブを引いたら、またバンザイの位置まで戻す
  4. 2と3を30秒繰り返す
◉ ポイント
  • 身体を上げすぎると、腰の力を使ってしまうため注意
  • 頭を前から引っ張られるような感覚で首を長くして上半身を起こす
チューブトレーニングのポイントとは?

チューブを使用することで効果的な運動が行えますが、2つの点に注意することが重要です。

まず1つ目は自分の負荷にあったチューブを使用するという点です。ダンベルと一緒で、重すぎても軽すぎても効果的なトレーニングとはなりにくいので、可能であれば複数の硬さを試してみるとよいでしょう。

つぎに2つ目はチューブの破損に注意することです。常に素材も進化していますが、それでも時間の経過とともに劣化は免れません。トレーニングの前後にはチューブの状態をチェックするようにしましょう。

肩こり解消には「VRTXマルチバンド」がおすすめ

チューブはいくつかの種類がありますが、動画内でも使用していた「VRTXマルチバンド」がおすすめです。

VRTXマルチバンド

米特許取得の新感覚素材を採用。切れにくく、肌に優しい。安全性と快適性を実現。

「VRTX BAND」の選ばれる理由
  1. 肌触り良く、切れる心配なし: 米特許取得の新感覚素材を使用。切れにくく肌に優しい。ゴムチューブの劣化や肌への問題を解消し、トレーニング初心者でも安全かつ快適に利用可能。
  2. 使い勝手良いが7段階ループの形状: 引っ掛けやすいループ形状なので、ストレッチと筋トレ、両方活用可能。掴むところによって長さ・負荷を簡単に調整可能。
  3. トレーニング動画100本以上を公開: 各領域のトレーナーが使用方法を紹介する動画を100本以上公開中。筋力トレーニングに限らず、ストレッチや競技パフォーマンス向上にも活用可能。

VRTXバンドは米国特許取得の新感覚素材を採用しています。従来のトレーニングチューブの課題であったゴムの耐久性が改善されており、すぐに切れることはなく高い安全性を発揮します。そのため初心者でも安心して使用でき、快適なトレーニング体験が可能です。

また、VRTXバンドは7段階の強度(1キロから91キロまで)を提供しています。初心者の方でも適切な負荷でトレーニングができ、進捗に合わせて徐々に強度を上げることができます。

ループ形状のVRTXバンドは、握る箇所によって長さや負荷を簡単に調整できる点や、輪っかになっている部分を脚や腕などに引っ掛けることでよりバリエーションのあるエクササイズを可能としているのが特徴です。

まとめ

肩こりを感じている人のなかには、仕事や趣味活動が大きく制限されている人もいるのではないでしょうか。しかし肩こり症状が強い方でも諦めること無く適切に対処できれば、症状を減らせることが可能です。

今回紹介したようなトレーニングを続けることで、少しでも肩こり症状に悩む方が少なくなれば幸いです。

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