コラム

チューブトレーニングの効果、使い方を徹底的に解説!全身を鍛える「おすすめ週間メニュー」も紹介【トレーナー監修】

体を鍛えるのには様々な方法があります。フリーウエイトやマシン、自重トレーニングなど、どれも筋肉を刺激し、筋力向上や筋肥大を引き出すために必要なものです。

その中の一つに、ゴムチューブを使ったトレーニングがあります。チューブトレーニングは、ほかのトレーニング同様に筋力向上や筋肥大に効果的ですが、フリーウエイトや自重トレーニングとは異なった特徴を持っています。ひと言でいうと、「オールマイティー」なのです。

この記事では、チューブトレーニングの効果、使い方について徹底的に解説します。また、全身を鍛える「おすすめ週間メニュー」も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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この記事を監修した人
スポーツトレーナー
和田拓巳

この記事を監修した人
和田拓巳|スポーツトレーナー

プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院勤務で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。2021年著書「見るだけ筋トレ」(青春出版社)発刊

チューブトレーニングの特徴と効果 

バーベルやダンベルなどのフリーウエイトと、トレーニングチューブを使ったトレーニングにはどのような違いがあるのでしょうか。

最大の違いは、負荷のかかり方。
バーベルやダンベルが重力による物の重さが負荷になるのに対し、トレーニングチューブは引っ張った際の張力が負荷になる、という違いです。

🔴 フリーウエイト → 物の重さ・重力
🔴 トレーニングチューブ → 張力

この違いは、エクササイズ動作にも影響を与えます。 

フリーウエイトの場合、持ち上げる動作の一番初めに最も大きな力が必要になります。ウエイトが一度持ち上がってしまえば、慣性によって負荷は軽くなっていくという特徴があります。

一方、トレーニングチューブの場合は、一番初めがもっとも負荷がかからないポイントとなります。伸ばしていくにつれ、張力がかかりだんだん負荷が大きくなっていくのです。

負荷のかかり方から、フリーウエイトを「初動負荷」、チューブエクササイズを「終動負荷」と呼ぶこともあります。

そのため、張力を負荷としてではなく、補助として使用することもあり、フィジカルやスキルを高めるために、競技スポーツの現場でも活用されています。

トレーニングチューブの主な活用方法

トレーニングチューブとは、ゴムの張力を利用して負荷をかける運動器具です。そのため、スタートではほとんど負荷がかからず、どんどん伸びていくにしたがって負荷が大きくなっていきます。そして、フィニッシュ(一番引っ張られた状態)で負荷が最大になるのです。

つまり、筋肉がまだ小さな力しか出せないスタートでは負荷も小さく、筋肉が一番大きな力を発揮できるフィニッシュで最大負荷がかかるわけです。

こうした負荷のかかり方は、筋肉にとって最も理想的であるため、トレーニングチューブは、スポーツ施設や医療機関などにおいて、様々な目的で活用されています。では、トレーニングチューブの主な活用方法について見ていきましょう。

1. 一般的な筋トレ(筋力アップ・筋肥大)

トレーニングチューブは、筋力アップや筋肥大を目的とした一般的な筋トレにおいて、ダンベルやバーベルの代わりとして活用されています。

トレーニングチューブで筋トレを行うことで、筋肉や関節に無理なく負荷をかけることができるため、初心者や女性、高齢者でも安全に鍛えることができ、怪我のリスクも軽減されるのです。

また、普段は高重量のバーベルやマシンで鍛えているアスリートやボディビルダーなどでも、トレーニングの最後の追い込みや、筋肉への刺激を変化させる目的で、トレーニングチューブを使用する場合があります。

2. 競技のパフォーマンス強化

トレーニングチューブは、野球やサッカー、バスケットボールなど、競技のパフォーマンス強化にも活用されています。

競技中の動作は一定ではなく、横への移動や体のひねり、加速させる動きなど、状況に応じて様々な動きをしなければなりません。そのため、ダンベルやマシンだけの筋トレでは、動作の軌道が限られてしまうため、効率がよくないのです。

しかし、トレーニングチューブであれば、あらゆる軌道で負荷をかけられるため、自分が必要とする動作に合わせて、体の運動機能を向上させるトレーニングが可能となります。

例えば、柔道の背負い投げを強化したり、サッカーのキックの動きを強化したりできるのです。

また、一般の人にとっても、下半身や体幹が強化されるので、速く走りたい、高く跳びたいなど、自分ができるようになりたい動作に合わせて、動きやすい体を作ることができます。

3. コンディショニング・リハビリ

トレーニングチューブは、アスリートなどのコンディショニングや、医療機関でのリハビリなどにも活用されています。トレーニングチューブを使用することで、関節に無理な負担をかけずに、筋肉に対して安全に負荷をかけることができるため、体の調子を整えるコンディショニングに役立つのです。

また、怪我からの回復期で大きな筋力を発揮できない場合でも、自分が伸ばせるところまで伸ばせばよいので、必要以上に大きな負荷をかけずにトレーニングができます。

なお、トレーニングチューブは、ストレッチやウォーミングアップにも適していますので、体の柔軟性や運動機能の向上、怪我の予防などにも役立ちます。

4. トレーニングの補助

トレーニングチューブは、筋肉に負荷をかけるだけでなく、逆にトレーニングの負荷を軽減することも可能です。つまり、トレーニングを補助して、動作を行いやすくするのです。

例えば、懸垂を補助して体を引き上げやすくしたり、腹筋運動を補助して上体を起こしやすくしたりします。初心者や女性、高齢者など、動作を完遂するのに十分な筋力が備わっていない場合に、動作を補助することで、トレーニング効果を高めるのが狙いです。

◉ トレーニングチューブの主な活用方法
  1. 一般的な筋トレ(筋力アップ・筋肥大)
  2. 競技のパフォーマンス強化
  3. コンディショニング・リハビリ
  4. トレーニングの補助

トレーニングチューブを活用するメリット

1.筋肥大効果が高い

筋肉を効率よく肥大させるには、関節の可動域全体にしっかり負荷をかける必要があります。先ほど説明した通りフリーウエイトの場合、勢いよく動作を行ってしまうとウエイトが持ち上がっていく途中の負荷が抜けてしまうポイントが出てきます。

バンドエクササイズの場合は動作中の負荷が抜けることがないため、動作を通して筋肉が休むポイントがなく、常に筋肉に刺激が与えられるため筋肥大効果が高いのです。

2.安全性が高い

トレーニング中は、大きな力を発揮する瞬間に最もケガのリスクが高くなります。フリーウエイトは、動作の初めに最大きな力が必要になり、筋肉に大きなストレスがかかります。

トレーニングチューブの場合、初めは軽く、動作をしていくにつれて徐々に負荷が強まっていくため、無理をすることがなく、ケガのリスクを抑えることができ安全性が高いのです。

また、フリーウエイトのように動作中にバランスを崩してウエイトを落としてしまうなどの危険性も軽いバンドなら心配ありませんし、フォームが崩れてしまったときに無理にこらえるなどケガをしやすいタイミングでも、チューブから手を放してしまえば、ケガのリスクを減らすことができるのです。

3.自由度が高い

トレーニングチューブは、1本あれば引っ張り方によって負荷が変わります。そのため、初心者や体力に自信のない方でも、自分の体力に合わせて気軽に行うことができます。

全身のトレーニングも可能で、どこでも持ち運べるというのもトレーニングチューブのメリットの一つです。

◉ トレーニングチューブを活用するメリット
  1. 筋肥大効果が高い
  2. 安全性が高い
  3. 自由度が高い

効果はない?チューブトレのよくある間違い

チューブトレーニングのよくある間違いについて解説します。あまり効果が感じられないという場合には、下記の5項目をチェックしてみてください。

1. トレーニングチューブの強度が強すぎる

トレーニングチューブを選択する際に、自分の筋力レベルよりも上の強度を選択してしまっている人が多くいます。

強度が強すぎると可動域が狭くなり、筋肉を十分に刺激することができません。10~15回できる強度のトレーニングチューブを選びましょう。

2. トレーニングチューブの強度が弱すぎる

逆に、自分の筋力レベルよりも下の強度を選択してしまっている場合もあります。強度が弱すぎると、可動域を最大にしても筋出力が高まらず、筋肉を十分に刺激することができません。例えば15回行うとしたら、最後の2~3回は「きつい!」と感じられる強度が適切です。

3. ゴムの張力を生かし切れていない

動作のスタート時にトレーニングチューブがたるんでいると、ゴムの張力を生かすことができず、筋肉を刺激しづらくなります。ゴムの張力を最大限に生かすためには、トレーニングチューブの長さを調節して、ピンと張った状態でスタートさせましょう。

4. 反動を使って伸ばそうとしている

初心者の方に多く見られるのが、途中で動作が辛くなると、無意識の内に反動を使ってしまうケースです。反動を使うと、狙った筋肉に負荷が上手くかからず刺激が弱くなります。

例えばバイセプスカールでは、肘の角度が90度になる辺りで動作が最も困難になります。そのため、上体を反らし、反動を使って上げようとしてしまうのです。筋肉を的確に刺激するためには、できるだけ反動を使わずに動作することが大切です。

5. 鍛えている筋肉を意識していない

トレーニングチューブの強度が強すぎると、動作するのが精一杯で、鍛えている筋肉に意識が向かなくなります。鍛えている筋肉を意識することができないと、その筋肉の収縮を強めることができず、筋トレ効果が得にくくなるのです。

特に、トレーニングチューブを戻す際には、ゴムの縮もうとする力に逆らって、鍛えている筋肉を意識しながら、ゆっくりとじわじわ戻すようにしましょう。

◉ チューブトレのよくある間違い
  1. トレーニングチューブの強度が強すぎる
  2. トレーニングチューブの強度が弱すぎる
  3. ゴムの張力を生かし切れていない
  4. 反動を使って伸ばそうとしている
  5. 鍛えている筋肉を意識していない

トレーニングチューブの注意点

トレーニングチューブは、スポーツ施設や医療機関において様々な目的で活用されていますが、安全に使うためには注意すべき点もあります。

トレーニングチューブは「天然ゴム」を素材とした製品が多いのですが、ゴム素材のものは、使用環境や使用方法により劣化が進行し、切れる可能性があるのです。

例えば、直射日光や高温多湿な場所で長期間保管していると、劣化が進行して切れやすくなります。また、劣化していなくても、強く引っ張り過ぎて切れてしまうこともあります。運動中に突然切れた場合、ケガにつながる危険性があるのです。

ゴムの断裂を防ぎ、安全にトレーニングしたい方には、新しい素材を使った「VRTXバンド」をおすすめします。使い方は一般のチューブと同じですが、切れにくく安全性が高いのです。

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また、柔らかくて肌触りがとても優しいので、より快適なトレーニングが可能となるでしょう。

チューブトレーニングの効果はいつごろ出る?

チューブトレーニングの効果は、段階的に現れてきます。まず、初めの1ヶ月で筋力がアップしてくるでしょう。反復回数が伸びて、より強度の強いトレーニングチューブを使用できるようになってきます。しかし、この段階では、まだ筋肥大は起こってきません。

筋力アップと筋肥大には時間差が生じるのです。安としては、初めの1ヶ月で筋力アップし、次の2ヶ月目で筋肥大が起こってきます。そして3ヶ月目には、見た目にも筋肉が大きくなっているのが、はっきりとわかるようになるはずです。

筋肉を発達させるには、体内で様々な変化を起こす必要があるため、それ相応の時間がかかります。初心者の方は、3ヶ月後を目標に頑張りましょう!

部位別チューブトレーニング種目18選

それでは、トレーニングチューブを使って全身を鍛える種目を紹介します。

胸・背中・肩・腕・お腹・下半身の6部位に分けて、それぞれ3種目ずつ解説しますので、ぜひ参考にしてください。また、効果的な種目の順番がわかる「部位別のおすすめメニュー」も紹介します。

鍛えられる各筋肉の位置につきましては、下記のイラストを参照してください。

胸のチューブトレーニング種目3選

胸のチューブトレーニングで鍛えられるのは「大胸筋」です。

大胸筋は主に、上腕を前方に押し出すプレス系の働きをします。動作方向の異なる上部・中部・下部の3つのパーツで構成されているため、斜め上方向へプレスしたり、斜め下方向へプレスしたりなど、あらゆる方向へのプレスが可能です。また、投げる、打つ、抱えるなどの動作を行う際にも働きます。

① 腕立て伏せ(大胸筋中部)

【ポイントと注意点】

  • 腹筋に力を入れ、体を真っ直ぐにした状態で行いましょう。
  • 腕を伸ばした状態で2〜3秒キープすると効果的です。
② インクラインチェストプレス(大胸筋上部)

※動画2:05~

【ポイントと注意点】

  • 胸を張り、背中を真っ直ぐにした状態で行いましょう。
  • 腕を伸ばした状態で2〜3秒キープすると効果的です。
③ クロスオーバー(大胸筋下部)

※動画6:20~

【ポイントと注意点】

  • 左右の腕を斜め下方向へ向かって閉じていきます。
  • 腕をクロスした状態で2〜3秒キープすると効果的です。
おすすめのメニュー
  1. 腕立て伏せ 10~15回×2~3セット
  2. インクラインチェストプレス 10~15回×2~3セット
  3. クロスオーバー 10~15回×2~3セット
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和田拓也

アスリートトレーナー

初心者は、負荷の大きい①を最初に行い、その後で、疲労度に応じて負荷を調整して②③を行うとよいでしょう。①②③の順で行うことで、胸全体を効率よく鍛えられます。

背中のチューブトレーニング種目3選

背中のチューブトレーニングで鍛えられるのは「広背筋」「脊柱起立筋」です。

広背筋は主に、上腕を引くプル系の働きをします。プル系の動作方向は、前方から後方、上方から下方、下方から上方など様々です。また、脊柱起立筋は、主に上体を反らす働きをします。正しい姿勢を保つために、背面から体幹を支える重要な役割を担っている筋肉です。

① ベントオーバーロウ(広背筋)

【ポイントと注意点】

  • 脇を閉めて、肘を体側よりも高く引くようにしましょう。
  • 肘を引いた状態で2〜3秒キープすると効果的です。
② ワンハンドシーテッドロウ(広背筋)※動画7:20~

【ポイントと注意点】

  • 体をひねり、肩甲骨を後ろに寄せながら肘を引きましょう。
  • 肘を引いた状態で2〜3秒キープすると効果的です。
③ スーパーマンプレス(脊柱起立筋)※動画2:44~

【ポイントと注意点】

  • 背中を反らし、膝と肘を真っ直ぐ伸ばすようにしましょう。
  • 膝と肘を伸ばした状態で2〜3秒キープすると効果的です。
おすすめのメニュー
  1. ベントオーバーロウ 10~15回×2~3セット
  2. ワンハンドシーテッドロウ 10~15回×2~3セット
  3. スーパーマンプレス 10~15回×2~3セット
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和田拓也

アスリートトレーナー

脊柱起立筋が先に疲労してしまうと広背筋を収縮しづらくなるので、③は最後に行ってください。①②③の順で行うことで、背中全体を効率よく鍛えられます。

肩のチューブトレーニング種目3選

肩のチューブトレーニングで鍛えられるのは「三角筋」「僧帽筋」です。

三角筋は主に、上腕を前や横に上げたり、肘を後方へ引いたりする働きをします。前部・中部・後部の3つのパーツで構成され、動作方向は様々です。また、僧帽筋は主に、肩を上げる(すくめる)、肩甲骨を寄せる、肩甲骨を下げるなどの働きをしています。

① ワンハンドショルダープレス(三角筋全体・僧帽筋)

【ポイントと注意点】

  • 拳が常に肘の内側の軌道を通るように行いましょう。
  • 肘を伸ばし切る一歩手前で止めて切り返すと効果的です。
② サイドレイズ(三角筋中部)

※動画1:56~

【ポイントと注意点】

  • 拳を肩よりも高く上げるようにしましょう。
  • 腕を横に上げた位置で2〜3秒キープすると効果的です。
③ フロントレイズ(三角筋前部)

※動画4:22~

【ポイントと注意点】

  • 拳を肩よりも高く上げるようにしましょう。
  • 腕を前に上げた位置で2〜3秒キープすると効果的です。
おすすめのメニュー
  1. ワンハンドショルダープレス 10~15回×2~3セット
  2. サイドレイズ 10~15回×2~3セット
  3. フロントレイズ 10~15回×2~3セット
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和田拓也

アスリートトレーナー

初心者は、肩全体を鍛える①を最初に行い、その後で、負荷を軽めにして②③を行うとよいでしょう。①②③の順で行うことで、肩全体を効率よく鍛えられます。

腕のチューブトレーニング種目3選

腕のチューブトレーニングで鍛えられるのは「上腕二頭筋」「上腕三頭筋」です。

上腕二頭筋は主に、肘を曲げる働きをします。いわゆる「力こぶ」の筋肉。前腕を内側にひねる働きもあります。また、上腕三頭筋は主に、肘を伸ばす働きをします。上腕を押し出すプレス系の動作では、大胸筋と連携して働きます。

① バイセプスカール(上腕二頭筋)

【ポイントと注意点】

  • 肘を曲げた状態で2〜3秒キープすると効果的です。
  • 背中を反らさないように注意しましょう。
② フレンチプレス(上腕三頭筋)

【ポイントと注意点】

  • 肘を真っ直ぐに立てた状態で行いましょう。
  • 肘を伸ばした位置で2〜3秒キープすると効果的です。
③ ハンマーカール(上腕二頭筋)

【ポイントと注意点】

  • 肘を曲げた状態で2〜3秒キープすると効果的です。
  • 背中を反らさないように注意しましょう。
おすすめのメニュー
  1. バイセプスカール 10~15回×2~3セット
  2. ハンマーカール 10~15回×2~3セット
  3. フレンチプレス 10~15回×2~3セット
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和田拓也

アスリートトレーナー

③は肘関節に負担がかかりやすいので、①②で肘関節を動きやすくした後で行うとよいでしょう。①②③の順で行うことで、腕全体を効率よく鍛えられます。

お腹のチューブトレーニング種目3選

お腹のチューブトレーニングで鍛えられるのは「腹直筋」「腹斜筋」「腹横筋」です。

腹直筋は主に、上体を前方へ丸め込む働きをします。腹斜筋は主に、上体をひねる働きをする筋肉です。表層にある外腹斜筋と、その内側にある内腹斜筋で構成されています。腹横筋は、お腹まわりを覆っているインナーマッスルで、体幹を安定させる働きをしています。

① シッティングツイストクランチ(腹直筋上部・腹斜筋)

【ポイントと注意点】

  • つま先にタッチした状態で2〜3秒キープすると効果的です。
  • つま先にタッチできない場合は、可能な位置まででOK。
② ニーアップエクステンション(腹直筋下部)

【ポイントと注意点】

  • 脚をゆっくりと下ろすようにすると、お腹に効きやすくなります。
  • 各ポジションで一時停止するイメージで行いましょう。
③ バードドッグ(腹直筋・腹横筋)

【ポイントと注意点】

  • 体を真っ直ぐにした状態で2〜3秒キープすると効果的です。
  • 踵をお尻よりも高い位置にしてキープしましょう。
おすすめのメニュー
  1. シッティングツイストクランチ 10~15回×2~3セット
  2. ニーアップエクステンション 10~15回×2~3セット
  3. バードドッグ 10~15回×2~3セット
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和田拓也

アスリートトレーナー

①②で腹直筋・腹斜筋を刺激し、仕上げとして③を行うとよいでしょう。①②③の順で行うことで、お腹全体を効率よく鍛えられます。

下半身のチューブトレーニング種目3選

下半身のチューブトレーニングで鍛えられるのは「大腿四頭筋」「内転筋」「ハムストリングス」「下腿三頭筋」「大殿筋」。

大腿四頭筋は主に、膝を伸ばす働きをします。内転筋は太ももを内側に閉じる働きをする筋肉です。ハムストリングスは、膝を曲げる働きをします。下腿三頭筋は足首を伸ばす働きをする筋肉。大臀筋は主に、太ももを後方に振る働きをします。

① スクワット(大腿四頭筋・ハムストリングス)

【ポイントと注意点】

  • お尻を突き出して、太ももが床と平行になるまでしゃがみましょう。
  • 膝を伸ばし切る一歩手前で止めて切り返すと効きがよくなります。
  • 上体を前傾させながら膝を曲げていくようにしてください。
  • 膝から先に曲げてしまうと、腰への負担が大きくなってしまいます。
② ドンキーキック(大臀筋)

【ポイントと注意点】

  • 脚を伸ばした位置で、お尻に力を入れキュッと引き締めましょう。
  • 脚を伸ばした時に、踵をお尻よりも高くすると効きがよくなります。
③ カーフレイズ(下腿三頭筋)

【ポイントと注意点】

  • 足首を伸ばした位置で2〜3秒キープすると効果的です。
  • 足首を戻す際は、曲げすぎないように注意してください。
おすすめのメニュー
  1. スクワット 10~15回×2~3セット
  2. ドンキーキック 10~15回×2~3セット
  3. カーフレイズ 10~15回×2~3セット
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和田拓也

アスリートトレーナー

下半身強化の最重要種目である①から行い、その後で②③を行うとよいでしょう。①②③の順で行うことで、下半身全体を効率よく鍛えられます。

負荷・回数設定について

負荷のかかり方がフリーウエイトと異なるバンドトレーニングですが、負荷設定の仕方は基本的には同じです。ここでは目的別の負荷・回数設定を紹介します。

筋力向上
筋トレの目的が筋力向上であれば、3~7回程度で限界になる負荷設定を行いましょう。

筋肥大
筋肥大が目的であれば、8~12回程度で限界になるような負荷設定を行いましょう。

筋持久力
筋持久力であれば、12~20回程度で限界になるような負荷設定をすることが効果的です。

「10回×3セット」というのはベーシックな方法ですが、ただ単に10回動作をやればいいという訳ではありません。

また、腕立て伏せや腹筋運動でやりがちな100回・200回と多くの回数を行うやり方も、筋持久力向上には効果がありますが、筋力向上・筋肥大を目的とした場合、効率的ではありません。

目的に合った適切な回数で限界を迎えるくらいの負荷設定で行うようにしましょう。 

チューブトレーニングのおすすめ週間メニュー

続いて、チューブトレーニングのおすすめ週間メニューを紹介します。下半身用・上半身用・女性用バストアップの3種を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

1.下半身を優先的に強化するメニュー

一般の方は、まずは下半身を優先的に強化するようにしましょう。下半身には、全身の約70%の筋肉が集中しています。

そのため、加齢に伴う筋肉の減少量も大きくなります。体力の低下を阻止するには、下半身の筋トレが最優先課題となるのです。

【組み方のポイント】
- 下半身を週2日とし、他の部位は週1日だけ鍛えます。
- 1日3〜4種目、各10〜15回×2〜3セットを目安とします。
- 種目数やセット数は、体力に応じて増減してください。

    2. 上半身を優先的に強化するメニュー

    上半身をたくましくしたい方は、胸と背中を優先的に強化するようにしましょう。胸板を厚くし、背中を逆三角形にすることで、上半身がたくましくなってきます。

    また、胸と背中を鍛えることで、肩と腕も連動して鍛えられるため、効率よく筋肉量を増やすことができます。

    【組み方のポイント】
    - 胸と背中を週2日とし、他の部位は週1日だけ鍛えます。
    - 1日3〜4種目、各10〜15回×2〜3セットを目安とします。
    - 種目数やセット数は、体力に応じて増減してください。

    3. 女性用バストアップメニュー

    バストアップしたい女性の方は、胸とお腹を優先的に鍛えるようにしましょう。バストの土台となる大胸筋が強化されると、バストが安定し形が整ってきます。

    また、お腹を引き締めることで、バストとの境目にメリハリがつき、バストがより高く見えるようになります。

    【組み方のポイント】
    - 胸とお腹を週2日とし、他の部位は週1日だけ鍛えます。
    - 1日3〜4種目、各10〜15回×2〜3セットを目安とします。
    - 種目数やセット数は、体力に応じて増減してください。
    - 軽重量で回数を多めに行うと、しなやかな筋肉になってきます。

    まとめ 

    チューブトレーニングの最大の特徴は、負荷のかかり方が優しく、初心者~アスリートまで、もちろん女性や高齢者も含めて、オールマイティーに対応できる点です。そのため、一般的な筋トレにはもちろん、競技のパフォーマンス強化、コンディショニング、リハビリ、トレーニングの補助など、様々な目的で活用されているのです。

    わざわざジムに通わなくても、トレーニングチューブがあれば、自宅で高性能のマシンに匹敵するトレーニングができます。今回ご紹介した、チューブトレーニングの効果、使い方、週間メニューをぜひ参考にして、理想の体を手に入れてください!


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