肩の痛みを解消するためのインナーマッスル活性化エクササイズ5選!
肩を動かした時の痛みや肩のつまり感や違和感が、消えない。病院に行くほどではないが、数年前から気になっていて思うように上半身のトレーニングが出来ない。そのような悩みを抱えているアスリートやトレーニーは、多いのではないでしょうか?
肩の痛みを改善するために、肩甲骨を動かすいわゆる「肩甲骨剥がし」を採用している場合は多いですが、まずは肩関節の正常な動きを取り戻す事から始めてみるのはいかがでしょうか?
今回は肩の痛みやつまり感を抱えているアスリートや、クライアントへのトレーニング処方を考えているトレーナーへ向けて、肩の不調を改善するために必要なインナーマッスルのコンディショニングエクササイズをご紹介します。
肩の構造と痛みやつまり感の原因
肩関節の痛みやつまり感の原因の1つとして、猫背姿勢に代表される肩が前方に突き出される姿勢や動作を取り続ける事で起こる、上腕骨の外旋動作の阻害があります。
肩関節が屈曲(前習えの動作)をする時に上腕骨が屈曲角度の増加に伴い外旋する事で肩の前方で組織が衝突しないように動くのが正常ですが、肩の前方につまり感や痛みが出る人は、この動作がうまく出来ていない可能性が高いと言えます。
骨と関節(解剖学的基礎)
肩関節は胸鎖関節と肩甲上腕関節の2つの関節で構成され、構造的には不安定な形状をしています。不安定な構造の肩を安定させて動かすために、靭帯やインナーマッスルと呼ばれる関節に近い位置に付着する組織の働きが重要になります。
特にインナーマッスルのコンディションが悪く、動きに合わせてタイミングよく収縮できないと、関節が不安定になり動くたびに痛みが発生する原因となってしまいます。
インナーマッスル(筋肉の役割の解説)
不安定な構造の肩を安定させて動かすための筋肉として働くのが、ローテーターカフ(回旋腱板)と言われるインナーマッスルです。ローテ―ターカフは「棘上筋」「棘下筋」「小円筋」「肩甲下筋」の4つで構成されます。
各筋肉はそれぞれ肩関節の回旋動作を主な働きとしていますが、4つの筋肉に共通しているのは、動作の中で肩甲上腕関節を安定させるために、肩甲骨に対して上腕骨を「引き寄せる」働きをすることです。
肩のトラブルの原因(痛みやつまり感のよくある原因解説)
肩関節で起こる痛みやつまり感の原因の多くは、インナーマッスルが肩関節に挟み込まれてしまうことです。肩関節が動く際に上腕骨の回旋が十分に行われず、肩甲骨と上腕骨の間で「関節包」や「滑液包」そして「インナーマッスル」そのものが挟み込まれてしまうことです。
肩の外転動作を例に説明すると、肩関節が外転するにしたがい上腕骨は外旋していくのですが、インナーマッスルである肩甲下筋や小円筋の収縮が不十分だと、上腕骨が内旋位のまま屈曲してしまい、上腕骨の外側にある大結節と肩甲骨の先である肩峰の間で挟み込みが起きてしまうのです。
インナーマッスル活性化はチューブトレーニングがオススメ
肩のインナーマッスル活性化を行う時に役に立つのがゴムチューブです。
軽いダンベルを使ってエクササイズを行う事もありますが、ゴムチューブは感覚的に負荷を調整しやすく、関節の自由度が高い肩関節に対して、さまざまな角度で負荷を与えることが出来るので、使いやすくて重宝しています。
1. 肩関節のインナーマッスルをストレッチできる
肩関節のインナーマッスルは敏感な筋肉で、手を握る動作でも上腕を安定させるために収縮します。そのためリラクゼーションを目的にストレッチをかけても、何かを握るだけでも収縮してしまい、十分なストレッチをおこなうことが難しくなります。
ゴムチューブであれば、手首に巻き付けたり、ひっかけることで手の力を使わずに肩関節に対して牽引によるストレッチと脱力を同時に行うことが出来るので、インナーマッスルのストレッチを行うのに適しているアイテムと言えます。
2. 肌に優しい素材を選べば、手の負担が少ない
ダンベルなどの重りでも肩関節に対して負荷を与え、トレーニングをすることは可能ですが、重りを使った方法は手で握る必要があり、手のひらや手首に対して常に負担がかかります。
ゴムチューブであれば、手にひっかける事ができるので、手や手首への余計な負担を気にせずにトレーニング出来ます。特に柔らかい素材であるVRTXチューブは手や肌への負担も少なく、同じ動作を繰り返しおこなっても肌のトラブルが発生しにくく便利です。
3. 負荷量を感覚的に調整しやすく、怪我のリスクが少ない
重力を利用する重りと違い、ゴムチューブは数字的に「○○Kg」 の負荷と重量を設定する事ができないため、負荷量を規定することが難しくなります。
しかし、重力を利用した負荷と異なり、張力を負荷として使っている特性上、負荷量をゴムの引っ張り具合で感覚的に理解しやすく、自分自身で調整が可能なので、重りに比べてトレーニングに対して怪我のリスクは低くなります。
肩関節に限らず、コンディショニングは調整目的でエクササイズをおこなうことが多いため、安全面からもゴムチューブが使われることが多くあります。
肩インナーマッスルの活性化トレーニング5選
ここからは、肩の痛みやつまり感に対するコンディショニングエクササイズを紹介します。肩のインナーマッスルに刺激を入れて、収縮をしやすい状態へ改善することが主な目的ですので、実施する際は痛みを感じる肢位や強度では無理に行わないように注意してください。
1. ストレッチ&リラックス(牽引型のインナーマッスルストレッチ)
チューブの張力を利用した単純な肩関節の牽引と牽引に伴うインナーマッスルや関節包のストレッチを行うエクササイズです。
手順
- チューブを固定し、手首にひっかける形で腕に装着する。
- チューブを固定した場所から、肩に牽引される感覚が感じられる距離まで離れる。
- 腕の力を抜き、肩関節が引っ張られるようにストレッチを行う。
- 特に下関節後方にストレッチ感を感じるように身体の角度を調整すると良い。
回数:ストレッチを感じる肢位で5~10秒キープを5~8回繰り返しおこなう。
チューブの張力を利用した単純な肩関節の牽引と牽引に伴うインナーマッスルや関節包のストレッチを行うエクササイズです。
肩関節の筋肉は手を握る動作でも緊張してしまうので、引っ張られる腕の力をリラックスさせ、肩が引き抜かれるような感覚でストレッチを行うと良いでしょう。
また、肩関節の角度にを変化させておこなうことで、より伸びを感じられる角度を探して、様々な角度で行うことを推奨します。
2. エルボーウォーク
動画では前鋸筋のトレーニングとして壁を押す事を強調して紹介していますが、肩関節の外旋可動域を出すことをフォーカスしたやり方をご紹介します。
手順
- チューブを手にひっかけ手の甲を壁に付ける、両肘を肩の真正面の高さで壁に当てる。
- 両手首の位置が肘より外側になるように開き、手の甲が壁から離れないように肘は90°をキープする
- 手首が肘より外側にある状態を維持したまま、肘が壁を歩くように交互に上に移動させる。
- 最大限上げられる位置まで移動したら、同じ軌道で元の位置に戻す。
回数:肘が肩の正面から10㎝程上がる幅を1回と数えて、片側3回を3往復1setとして合計2~3set行う。
動作中は手首が肘より外側の位置にある事を常に保ってください。肘の位置を上げていくと、上腕骨の外旋が促されるので、肩関節の前方につまり感が出やすい人にとっては有効なエクササイズです。
また、猫背で巻き方になっている人にとっては非常に辛く感じるエクササイズですので、最初はチューブ無しにして行うと良いでしょう。
3. 肩関節ドローイン
肩関節ドローインは肩関節の牽引を行い、ストレッチされたインナーマッスルを収縮させることで、筋の収縮しやすさを改善するエクササイズです。
手順
- ストレッチ&リラックスと同様に、手首にチューブをひっかけ肩関節を牽引する。
- 肩関節が引っ張られている力に抵抗するように、上腕骨を肩甲骨に引き付けるように引っ張る。
- 牽引されている肩関節が元の肢位に戻ったら5秒程度その位置を保持する。
- 1~3の手順をゆっくりと繰り返し行う。
重要なのはインナーマッスルがストレッチされている肢位から、肩甲骨に対して上腕骨を引き寄せることなので、引き込む際に肩関節の角度が出来るだけ変わらないように注意してください。
ストレッチ&リラクゼ―ションと同様に肩関節を牽引する角度を変えて行うと効果的です。
4. 肩外旋回旋トレーニング(インナーマッスルの収縮)
肩関節の外旋筋のトレーニングです。インナーマッスルでは主に棘下筋、小円筋のトレーニングになります。
手順
- 腕を横に上げ、肘関節を90°になるように曲げる、この時掌が正面を向く。
- 手でチューブを把持し、肘を中心に手の甲で円を描くように後方へ動かす。
- 上半身が真っすぐ立っている姿勢を維持出来る程度の負荷で1~2の動作を繰り返す。
回数:20回を1setとし、2~3setを目安に行う。
肩関節の屈曲、外転する際に、上腕骨の外旋が不十分だと肩の前方でつまり感や痛みが発生してしまいます。外旋筋の収縮を促し屈曲時の上腕骨の改善をスムーズにする事が目的のエクササイズになります。
また、肘を壁に固定し少し押し付けるながら行うと、肩関節の動きやすいポジションがわかりやすくなるので、肩に痛みを感じている人は肘で壁を押しながら行うパターンをオススメします。
5. リバーススロー(インナーマッスルの瞬間的な収縮トレーニング)
リバーススローは紹介動画のように、投球動作の逆回しでボールを後方に投げる形でおこなう種目ですが、チューブを使い「止める」動きを意識することで、肩関節を瞬間的に安定させる能力のトレーニングになります。
手順
- チューブを膝の高さで正面の位置に固定する。
- ボールを投げるように前方に片足を踏み出しながら、腕を後方に振る。
- 振った腕は投球動作のトップポジションの位置で止める。
- 止めた時に肩が概ね120°、肘は90°程度のポジションになるように注意する。
リバーススローは野球のピッチャーの投球動作の逆回しでボールを後方に投げるようなイメージで行います。チューブを使い肩がトップポジションに入った瞬間に「止める」ことを意識することで、肩関節を瞬間的に安定させる能力のトレーニングになります。
チューブを前方に固定し、動画のようにボールを後方に投げるように動きます。投球動作の逆回しは多くの人が滅多に行わない動作ですので、慣れない動作では身体の状態が素直に出ます。
肩のインナーマッスルを反応させて速い動作でも、肩関節を安定して動かせるようになるため、コンディショニングの仕上げとしておこなうと良いでしょう。
まとめ
肩関節の痛みや違和感を解消するために、肩関節そのものを動きを良くするエクササイズを紹介しました。
肩甲骨を動かすエクササイズだけでも、肩の可動域は広がり、問題解決をする事は可能な場合もありますが、繰り返す肩の痛みにはインナーマッスルを肩関節の動く角度に合わせて働かせることが重要になりますので、まずは肩のコンディションを改善し、合わせて肩甲骨の動きを拡大していくと、より良い肩のコンディショニングができるでしょう。
肩の痛みや違和感に悩んでいる人の助けになると幸いです。
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