背中トレーニングの「最重要3種目」を徹底解説!自重・ダンベルで背中を鍛える方法も紹介
背中のトレーニングは、上半身をたくましくしたり、美しく見せたりするのに欠かせません。しかし背中は、トレーニング中に直接目で見て確認しにくいため、鍛えにくい部位でもあります。背中を鍛えていても、効いている気がしないという人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、背中を鍛える効果的なトレーニング方法について詳しく解説します。背中トレーニングの「最重要3種目」や、自重・ダンベルで鍛える方法などを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
背中は一般的に、ダンベルやバーベル、マシンで鍛えることが多いです。でも、「ダンベルやバーベルはちょっと…」という方もいらっしゃるでしょう。もし、ダンベルなどの使用に抵抗を感じる場合には、本記事の最後に対策を紹介していますので、ぜひご覧になってください。
背中のトレーニングで期待できる効果・メリット
背中のトレーニングで期待できる主な効果・メリットを紹介します。具体的には下記の5つ。
1. 上半身の筋肉を効率よく増やせる
背中のトレーニングでは、上半身の複数の筋肉が連動し、同時に鍛えられます。特に、広背筋のトレーニングでは、広背筋を中心に背中全体に負荷がかかるのです。また、肘を引く動作によって、上腕二頭筋や三角筋後部も強化されます。したがって、上半身の筋肉を効率よく増やせるのです。
2. 基礎代謝が上がり太りにくくなる
多くの筋肉が鍛えられると、基礎代謝が上がります。基礎代謝とは、心拍や呼吸など、生命を維持する必要最低限のエネルギーです。何もせずに、じっとしているだけでも常に基礎代謝は行われています。しかも、1日の総消費エネルギーの約70%を占めています。したがって、基礎代謝が上がれば、1日の総消費エネルギーが増加し太りにくくなるのです。
3. 背筋がピンと伸びて姿勢がよくなる
背中を鍛えると、体幹が安定し背筋が真っ直ぐに伸ばされます。また、肩も正しい位置に保持されるようになります。その結果、猫背や反り腰などの悪い姿勢が改善されるのです。
4. 頼れる男、包容力のある男を演出する
たくしい背中は、女性に対して「頼れる男」「包容力のある男」の印象を抱かせます。背中は、女性に対して、男としての魅力をアピールできる絶好の部位なのです。
5. 女性の美しいビーナスラインを形成する
背中のトレーニングは、女性の美しさをアップさせるのにも役立ちます。女性が背中を鍛えると、背中の真ん中に美しい縦線(ビーナスライン)が現れます。すると、オープンバックのワンピースなどを着たときに、美しさが際立つのです。
背中は上半身の中で最も大きな部位
背中は、「広背筋」「僧帽筋」「大円筋」「脊柱起立筋」で構成されています。そのため、背中全体として見た場合、上半身の中で最も大きな部位となるのです。背中を構成している各筋肉の位置や働きは下記の通り。
広背筋
広背筋は、脇の下から腰にかけて広がっている筋肉です。主に、肘を後方に引く働きをしています。背中をたくましくするのに、最も重要な筋肉となります。
僧帽筋
僧帽筋は、首の付け根から肩甲骨にかけて広がっている筋肉です。主に、肩甲骨を上げる、下げる、寄せる働きをしています。また、物をつかんで引っ張るときなどに使われます。
大円筋
大円筋は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ筋肉であり、脇の下辺りに位置しています。主に、肩と腕を連携させて、動きをよくする役割があります。
脊柱起立筋
脊柱起立筋は、背骨に沿って走っている非常に細長い筋肉です。腸肋筋・最長筋・棘筋の3種で構成され、主に上体を反らす働きをしています。また、背面から体幹を支え、よい姿勢を保つ役割があります。
背中トレーニングの「最重要3種目」を徹底解説
それでは、背中トレーニングの「最重要3種目」を詳しく解説します。これら3種目によって、背中全体が鍛えられ、広くて厚い背中を手に入れることができるのです。
1. ベントオーバーロウイング
ベントオーバーロウイングを行うと、広背筋を中心に、背中全体が鍛えられます。特に、背中に「厚み」をつけるのに効果的です。また、上腕二頭筋も鍛えられ腕も太くなります。
【効果を高めるポイント】
- 上体をできるだけ床と平行にする。
- 上体を固定したまま、バーベルを垂直に引き上げる。
- 肘をできるだけ後方に引く。
- 肘を引いた状態で、2〜3秒キープする。
- 力強く引き上げ、ゆっくりと戻す。
- 息を吸いながら引き上げ、吐きながら戻す。
- 重さよりもフォームを優先させることが大切。
- 負荷が重すぎると肘の引きが浅くなり、背中の筋収縮が弱くなってしまう。
- 肘がしっかりと引ける範囲で、できるだけ重い負荷を用いる。
2. ラットマシンプルダウン
ラットマシンプルダウンも、広背筋を中心に、背中全体を鍛える種目です。特に、背中に「広がり」をつけるのに役立ちます。また、上腕二頭筋も鍛えられ腕も太くなります。
【効果を高めるポイント】
- 肩幅よりもやや広いくらいのグリップで行う。
- 胸を張り背中を反らした姿勢でバーを引く。
- バーを引き付ける位置は、鎖骨の下辺り。
- 肘は真下にではなく、斜め後ろに引くイメージ。
- 肘を引いた状態で、2〜3秒キープする。
- 力強く引き付け、ゆっくりと戻す。
- 息を吸いながら引き付け、吐きながら戻す。
- 上体を後ろに倒す反動を使ってバーを引こうとしない。
- 腕を伸ばすときは、完全に伸び切る手前で切り返す。
- 正しいフォームを維持できる負荷で行う。
3. デッドリフト
デッドリフトを行うと、脊柱起立筋を中心に、背中全体が鍛えられます。特に、背中に「厚み」をつけるのに効果的です。また、下半身の強化にも役立ちます。
【効果を高めるポイント】
- 胸を張り、背中を真っすぐにしたまま立ち上がるようにする。
- バーベルは、可能な限り体に近い軌道で引き上げ、同じ軌道で下ろす。
- すね⇒太もも⇒脚の付け根と、体の前面に沿うように引き上げる。
- 立ち上がりながら肩甲骨を寄せていく。
- フィニッシュでは、肩と肘を後方へ引き背中を収縮させる。
- 立ち上がったら、一時停止してから戻すようにする。
- 力強く引き上げ、ゆっくりと戻す。
- 息を吸いながら引き上げ、吐きながら戻す。
- 引き上げる時に、腕を曲げたり肩を上げたりしないこと。
- 立ち上がった時に、背中を無理に反らさないこと。
- 軽い負荷から始め、フォームを安定させることが大切。
自重で行う背中のトレーニング4選
続いて、自重で行う背中のトレーニングを紹介します。具体的には下記の4種目。
1. チンニング(懸垂)
【ポイントと注意点】
- 胸を張り、背中を弓なりに反らして行う。
- 体を引き上げた状態で、2〜3秒キープする。
- 体がスイングしないように注意する。
2. インバーテッドロウイング(斜め懸垂)
【ポイントと注意点】
- 胸を張り、体を真っすぐにした状態で引き付ける。
- バーか胸に触れた状態で、2〜3秒キープする。
- 力強く引き付け、ゆっくり戻すようにする。
3. リバースエルボープッシュアップ
【ポイントと注意点】
- 上半身を起こしながら、肩甲骨を寄せていく。
- 上半身を起こした状態で、2〜3秒キープする。
- 腹筋に力を入れすぎないように注意する。
4. バックエクステンション
【ポイントと注意点】
- 顔を下に向けたまま行う。
- 両手足を浮かせた状態で、2〜3秒キープする。
- 背中を無理に反らそうとしない。
ダンベルで行う背中のトレーニング4選
ダンベルで行う背中のトレーニングを紹介します。具体的には下記の4種目。
1. ワンハンドダンベルロウイング
【ポイントと注意点】
- 脇を閉めてダンベルを引き上げる。
- 肘をできるだけ後方に引くようにする。
- 肘を引いた状態で、2〜3秒キープする。
2. ダンベルシュラッグ
【ポイントと注意点】
- 息を吸いながら肩を上げ、吐きながら下ろす。
- 呼吸を逆にすると、首の筋肉を痛めやすいので注意。
- 肩を上げた状態で、2〜3秒キープする。
3. ダンベルリバースフライ
【ポイントと注意点】
- 上半身の前傾角度は30度くらい。
- 腕を上げた状態で、2〜3秒キープする。
- 上半身を固定したまま動作する。
4. ダンベルプルオーバー
【ポイントと注意点】
- 脇の下を伸ばす感覚でダンベルを下ろしていく。
- 無理に深く下ろそうとしないこと。
- 息を吸いながらダンベルを下ろし、吐きながら上げる。
背中のトレーニングプログラムの立て方
トレーニングプログラムを立てる上で大切なのは、種目・負荷・量・頻度の4要素です。それぞれの要素について解説しますので、参考にしてください。
1. 種目(どのような種目をどのような組み合わせで行うか)
背中のトレーニングは体力を要するので、初心者は2種目で十分です。その内の1種目は、広背筋を刺激しやすいロウイング系の種目を入れるとよいでしょう。例えば、下記1〜3のような組み合わせがおすすめです。
- ベントオーバーロウイング+ラットマシンプルダウン
- ベントオーバーロウイング+デッドリフト
- ワンハンドダンベルロウイング+バックエクステンション
2.負荷(どのくらいの負荷を用いて行うか)
背中のトレーニングは、重さよりもフォームを優先して行うようにしてください。正しいフォームを維持しながら、10〜15回繰り返せる負荷が効果的です。そして、余裕を持って15回以上できるようになったら、少しずつ負荷を重くしていきましょう。
3. 量(何レップ、何セット行うか)
セット数は、1種目につき2セットを目安としてください。セット数が多すぎると、筋肉が回復しづらくなり逆効果です。セット間のインターバルは、1〜2分を目安に取りましょう。
4. 頻度(週に何回行うか)
筋トレでの筋損傷に対する回復時間は、48〜72時間です。よって、1〜2日おきに週2〜3回が理想的な頻度となります。例えば、下記1、2のようなスケジュールがおすすめです。
- 週2回の場合 : 月・木または火・金
- 週3日の場合 : 月・水・金または火・木・土
- 種目:初心者は2種目で十分。
- 負荷:重さよりもフォームを優先。
- 量:1種目につき2セット。
- 頻度:1〜2日おきに週2〜3回が理想的。
まとめ
鍛えられた背中は、魅力的なボディラインになるための必須アイテムです。男性は、広くて厚い背中によって、たくましさが強調されます。女性は、スッキリとした綺麗な背中によって、美しさが際立つのです。今回の記事を参考にして、ぜひ背中のトレーニングを実践し、理想的な背中を目指してください。
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大久保孝一
トレーナーとしての経験は32年あります。 これまで、初心者~アスリート・ボディビルダーまで、 約2000人のボディメイクのお手伝いをさせていただきました。 現在は、栃木・茨城・埼玉を中心に活動し、 独自の「最大筋収縮トレーニング法」を用いて、 関節に優しい筋トレのやり方を指導しています。
トレーナーとしての経験は32年あります。 これまで、初心者~アスリート・ボディビルダーまで、 約2000人のボディメイクのお手伝いをさせていただきました。 現在は、栃木・茨城・埼玉を中心に活動し、 独自の「最大筋収縮トレーニング法」を用いて、 関節に優しい筋トレのやり方を指導しています。