デッドリフトの正しいやり方!バリエーションや効果的なプログラム例も解説
上級者を中心に実践者が多く、最強筋トレとの呼び声も高い「デッドリフト」。もっと筋肉を大きくしたい、もっと筋力を強くしたいと願うなら、デッドリフトを取り入れた方が間違いなく効果は高まります。
しかし、フォームが難しいため、正しいやり方が分からないという人も多いのではないでしょうか?そこで今回は、テッドリフトの正しいやり方について詳しく解説します。また、デッドリフトのバリエーションや効果的なプログラム例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
さらに記事の後半では、安全にデッドリフトを行いたい方におおすめの「VRTXバンド」を紹介しますので、こちらもお見逃しなく!
デッドリフトで鍛えられる筋肉は?
デッドリフトで主に鍛えられる筋肉は「抗重力筋」です。抗重力筋とは、背面を走っている「背中・腰・お尻・太ももの裏側」の筋肉の総称。抗重力筋は主に、地球の重力に対抗して立位や座位などの姿勢を保つ働きをしています。
つまり、抗重力筋とは、体を支える軸となる重要な筋肉であり、抗重力筋が強くなることで姿勢が安定し、大きな筋力を発揮しやすくなるのです。主な「抗重力筋」は下記の5つ。
抗重力筋➀「僧帽筋」
僧帽筋とは、首の付け根から背中の中部にかけて逆三角形状に広がっている筋肉です。主に、肩の上げ下げや、肩甲骨を動かす働きをしています。また、首や肩を正しい位置に保つ上でも重要な筋肉です。
僧帽筋が発達すると、背中上部がたくましくなり、首から肩にかけての部分もガッチリしてきます。
抗重力筋②「広背筋」
広背筋とは、背中の中部から下部を広く覆っている筋肉です。主に、上腕を引くプル系の働きをしています。広背筋の働きによって、上腕を前方から横向きに引いたり、上方から下向きに引いたりなど、さまざまな動作が可能となるのです。
広背筋が発達すると、厚みと広がりのある逆三角形の背中が形成されます。広背筋は、背中の形状を決める重要な筋肉です。
抗重力筋③「脊柱起立筋」
脊柱起立筋とは、背骨まわりにある大小さまざまな筋肉の総称で、頚椎から骨盤にかけて走っている非常に細長い筋肉群です。主に、上体を反らす働きをし、背面から体幹を支える重要な役割を担っています。
脊柱起立筋が発達すると、背中中央部の溝が深くなり、背中に立体感が出るのです。また、体の踏ん張りが効くようになり、大きな筋力を発揮しやすくなります。
抗重力筋④「大殿筋」
大殿筋とは、お尻を覆っている大きな筋肉であり、非常に強い力を発揮することができます。主に、太ももを後方に振る働きをしています。また、太ももを外側に振って脚を横に広げる働きや、太ももを外側に捻ってつま先を横に広げる働きなどもあり、動作方向はさまざまです。
お尻には骨格がないため、大殿筋の筋力によってお尻の位置が保たれています。大殿筋は、美しいスタイルを保つためにも重要な筋肉なのです。
抗重力筋⑤「ハムストリングス」
ハムストリングスとは、太ももの裏側にある筋肉の総称です。主に、膝を曲げる働きをしています。また、大殿筋と連携し、太ももを後方に振る働きもあります。
陸上やサッカー、バスケなど、走ることをメインとする競技の選手にとっては、パフォーマンス向上のために、ハムストリングスのトレーニングは不可欠です。
デッドリフトで得られる効果は?
続いて、デッドリフトで得られる効果について解説します。具体的には下記の6つです。
1. 全身の筋肉を効率よく増やせる
デッドリフトでは、背面の抗重力筋に加え、大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)や腹筋、前腕筋など、全身のさまざまな筋肉が同時に鍛えられます。そのため、背中を厚くするだけでなく、全身の筋肉を効率よく増やすことができるのです。
デッドリフトは、全身の筋肉を効率よく増やせる種目として、ベンチプレス・スクワットと共に「BIG3」と呼ばれています。
2. 大きな筋力を発揮しやすくなる
デッドリフトを正しいフォームで行うと、抗重力筋を中心に全身の筋肉が連動して働くため、大きな筋力を発揮しやすくなります。初心者であっても、短期間で自分の体重以上のバーベルを引けるようになるでしょう。
パワーリフターの中には400kg以上を引く選手もいるのですが、バーベル種目の中で、それ程重い重量を扱えるのはデッドリフトだけです。
3. 競技パフォーマンスが向上する
デッドリフトによって抗重力筋が鍛えられると、動作中の姿勢を保ちやすくなるため、競技中のパフォーマンスが向上します。そのため、陸上競技や球技、格闘技など、さまざまな競技のアスリートたちが、デッドリフトをトレーニングに取り入れているのです。
4. お尻がキュッと引き締まる
デッドリフトでは大殿筋が鍛えられるため、お尻をキュッと引き締めることができます。お尻が引き締まると、ヒップラインをきれいに見せることができるので、美尻になりたい女性にはもちろん、スーツをカッコ良く着こなしたい男性にも大きなメリットがあります。
5. 太りにくくなる
デッドリフトで全身の筋肉を増やすことによって、基礎代謝が上がりやすくなります。そして、基礎代謝が上がることで1日の消費カロリーが増加し、太りにくくなります。デッドリフトは、ダイエット中の筋トレとしても効果的なのです。
6. 他の種目でも高重量を扱えるようになる
デッドリフトによって抗重力筋が強化されると、他の種目のフォームも安定してきます。そのため、他の種目でも、より重い重量を扱えるようになるのです。特に、多くの筋肉が使われるベンチプレスやスクワットの重量を伸ばしやすくなります。
また、高重量を引くことで握力が強化されるため、ベントオーバーロウイングなどのプル系種目の重量も伸ばしやすくなります。したがって、初心者の段階からデッドリフトに取り組むことは、その後の筋肉の発達に向けて、大きなメリットとなるでしょう。
デッドリフトの正しいやり方
それでは、デッドリフトの正しいやり方について解説します。まずは、初心者向けの動画で、「デッドリフトの基本フォーム」を確認してみましょう。
続いて、下記1~5の解説をもとに、パート別の動作方法を練習してみましょう。デッドリフトは動作が複雑なので、パート別に練習することで、上達しやすくなります。
1. デッドリフトの前傾姿勢の作り方
- 肩幅より狭めに足を開き、つま先を正面に向けてバーベルの前に立つ。
- 胸を張り、背中にアーチを作る。
- そのまま上体を無理のない深さまで前傾させる。
- 前傾したときに、背中のアーチが緩まないようにする。
- 前傾したら、背中のアーチを維持したまま適度に膝を曲げる。
大久保孝一
パーソナルトレーナー
上記1〜5により、上体を前傾させた姿勢が作られます。フォームを安定させるには、まず、前傾姿勢をしっかり作ることが大切です。
2. デッドリフトのバーの握り方
- 上体を前傾させたら、肩幅程度の広さでバーを握る。
- 握り方は、オーバーハンド(順手)で握るのが基本。
- 握る際は、まず親指の付け根の深い位置にバーを当てる。
- そして、小指側から巻き込むようにしっかりと握る。
- バーを握った時、バーにすねが当たるまで膝を前に出すようにする。
- 重心は踵におき、背中のアーチは維持したままにしておく。
- 目線は正面か、正面よりもやや上を見るようにする。
大久保孝一
パーソナルトレーナー
上記1〜7により、デッドリフトのスタート姿勢が完成します。まずは、スタート姿勢の作り方だけを繰り返し練習してみると良いでしょう。
3. デッドリフトのバーの引き上げ方
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すね⇒太もも⇒脚の付け根と、バーが体に沿うように引き上げていく。
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引き上げる時も、背中のアーチを崩さないようにする。
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立ち上がりながら、胸を張って肩甲骨を寄せていく。
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フィニッシュでは、肩と肘を後方へ引き、背中を収縮させるようにする。
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引き上げる際には、力強く一気に引き上げるようにする。
背中が丸まった状態で引いてしまうと、腰部への負担が極めて大きくなり危険です。また、動作の途中で背中が丸まってしまうと、それ以上の引き上げが困難になります。初めは軽い重量で動作を確認しながら行い、慣れたら少しずつ重くしていきましょう。
4. デッドリフトのバーの下ろし方
- フィニッシュの位置で胸をグッと張ったら、すぐに下降動作に入る。
- バーを下ろす際には、お尻を後ろへ突き出すようにして戻していく。
- 下降時にも、背中のアーチを意識しながら、体に近い軌道で下ろしていく。
- 下ろす際には、2〜3秒かけてゆっくりと下ろすようにする。
- 床スレスレまで下ろしたら、再び引き上げ動作に入る。
- あるいは、一度床に下ろしてから、再び引き上げ動作に入る。
床スレスレから再び引き上げた方が、筋肉の緊張が維持されるので筋肥大効果が高まります。 ただし、筋力アップを目的として高重量に挑むような場合には、1回ごとに床に下ろし、姿 勢を整えてから反復するという方法も有効です。
5. デッドリフトの 呼吸方法
デッドリフトでは高重量を扱うため、「無呼吸リフト」が有効になります。具体的なやり方は下記の通りです。
- スタート前に息を大きく吸い込み、呼吸を止める。
- 呼吸を止めたまま、バーの上げ下げを行う。
- バーを下ろした後で息を吐く。
- つまり、無呼吸状態で1回の動作を行うということ。
息を吸い込み呼吸を止めることで、腹圧が高まり体幹も安定するため、大きな筋力を発揮しやすくなります。また、腰椎が保護され、動作中の安全性も高まるのです。
デッドリフトのバリエーション
続いて、デッドリフトのバリエーションを紹介します。特に、下記の2種目が有効です。
1. スティッフレッグデッドリフト
膝を伸ばしてデッドリフトを行うことで、ハムストリングスへの刺激が強まります。動作方法と注意点は下記の通りです。
動作方法と注意点
- バーベルを腰幅で握り、胸を張って脚を真っ直ぐに揃えて立つ。
- お辞儀をするような動作で、バーを足の甲部まで下ろす。
- バーは、可能な限り体に近い軌道を保ちながら下ろすようにする。
- バーを下ろしたら、同じ軌道で引き上げる。
- 動作中は、背中にアーチを作った状態を保つようにする。
- バーの軌道が体から離れてしまうと、腰への負担が大きくなるので注意。
2. スモウデッドリフト
ワイドスタンスでデッドリフトを行うことで、太もも内側の内転筋や大殿筋との連動性が高まり、バーを引く際の体の軸も安定しやすくなるため、高重量を引くのに有利になります。動作方法とポイントは下記の通りです。
動作方法とポイント
- 足を肩幅よりも広く開いて立つ。
- つま先は大きく「ハの字」に広げ、外側を向くようにしておく。
- バーを肩幅よりも少し広く握り、膝は90度程度に曲げておく。
- 正面を向き、背中を真っ直ぐにする。
- 足裏全体で地面を押すのと同時に上体を起こし始める。
- お尻を手前に引きながら上体を起こし立ち上がる。
- フィニッシュでは、やや背中を反らして立つようにする。
立ち上がったときに、背中が丸まっていたり、お尻が突き出た姿勢になっていたりすると、腰に大きな負担がかかってしまうので注意してください。
デッドリフトの効果的なプログラム例
デッドリフトのプログラム例を、「筋肥大用」「ダイエット用」に分けて紹介します。具体的には下記の2パターンです。
【デッドリフトのプログラム例➀】「筋肥大用」
軽めの重量を用いてウォームアップを1~2セット行った後、最大筋力の80%程度の重量(8~12回が限界数)を用いて、2~3セット行うようにします。
- 1セット目 : 軽めの重量×15~20回(ウォームアップ)
- 2セット目 : 最大筋力の80%×8~12回(限界数)
- 3セット目 : 最大筋力の80%×8~12回(限界数)
※セット間のインターバルは1〜2分を目安とする。
※上記プログラムを週2回行う。(月・木 / 火・金)
【デッドリフトのプログラム例②】「ダイエット用」
軽い重量を用いてウォームアップを1~2セット行った後、最大筋力の70%程度の重量(15~20回が限界数)を用いて2~3セット行うようにします。
- 1セット目 : 軽めの重量×15~20回(ウォームアップ)
- 2セット目 : 最大筋力の70%×15~20回(限界数)
- 3セット目 : 最大筋力の70%×15~20回(限界数)
※セット間のインターバルは1〜2分を目安とする。
※上記プログラムを週2回行う。(月・木 / 火・金)
安全にデッドリフトをやるなら「VRTXバンド」がおすすめ
安全にデッドリフトをやりたい方におすすめなのが「VRTXバンド」です。高重量のバーベルを使うことなく、腰への負担もかけずに、デッドリフトを行うことができます。
VRTXバンドとは、米国特許取得の新感覚素材を採用したトレーニングチューブ。丈夫で切れにくく、肌触りも滑らかであるため、常に快適な状態でトレーニングができます。
また、バーベルやダンベルとは違い、初動では負荷がかからず、伸ばすに従って少しずつ負荷が大きくなるため、無理なく安全にデッドリフトに取り組めるのです。しかも、バンドの強度は7段階(1~91kg)から選択可能なので、初心者~上級者まで幅広く対応できます。
米特許取得の新感覚素材を採用。日本グッドデザイン受賞。切れにくく、肌に優しい。安全性と快適性を実現。
◉「VRTX BAND」の選ばれる理由- 肌触り良く、切れる心配なし: 米特許取得の新感覚素材を使用。切れにくく肌に優しい。ゴムチューブの劣化や肌への問題を解消し、トレーニング初心者でも安全かつ快適に利用可能。
- 幅広い強度バリエーション: 7段階の強度設定。1kgから91kgの負荷調整可能。初心者から上級者、老若男女を問わず、種目に応じてバンドを使い分け、多彩なトレーニングが実現。
- トレーニング動画100本以上を公開: 各領域のトレーナーが使用方法を紹介する動画を100本以上公開中。筋力トレーニングに限らず、ストレッチや競技パフォーマンス向上にも活用可能。
では、「VRTXバンド」を使ったデッドリフトのやり方を紹介します。下記の動画をぜひ参考にしてください。(動画4:00~)
➀ 初心者(トレーニング経験3ヶ月未満)
・男性 : 2番「Light」~3番「Medium」
・女性 : 1番「X-Light」~2番「Light」
② 中級者(トレーニング経験3ヶ月以上)
・男性 : 3番「Medium」~4番「Heavy」
・女性 : 2番「Light」~3番「Medium」
③ 上級者(トレーニング経験6ヶ月以上)
・男性 : 4番「Heavy」~5番「X-Heavy」
・女性 : 3番「Medium」~4番「Heavy」
④ 高齢者(70歳以上)
男女 : 00番「Double Zero」~0番「Zero」
デッドリフトの効果を高めるには、筋力アップに応じて、VRTXバンドの強度を上げていくことが大切です。目安としては、筋肥大が目的の場合には12回以上、引き締めが目的の場合には、20回以上繰り返せるようになったら、強度を1段階アップさせると良いでしょう。
まとめ / デッドリフトで効率良く体を鍛えよう!
デッドリフトは、背面の抗重力筋を中心に、太ももや腕など、全身の筋肉を効率良く鍛えることができる種目です。そのため、男性の筋肥大用としてはもちろん、女性のダイエットやヒップアップ、高齢者の足腰の強化など、幅広く活用することができます。
ぜひ、デッドリフトの正しいやり方をマスターして、トレーニング効果を最大限に高めてください。