高齢者こそ自宅筋トレ!筋力トレーニングの効果やポイント、おすすめメニューを解説
筋肉量は30代前半でピークとなり、その後は徐々に減少していきます。そして、60代からは減少率が高くなり、70代になると、ピーク時より30%も減ってしまうのです。
高齢者における筋力低下の根本原因は「筋肉量の減少」です。生涯に渡って動ける体を維持するためには、筋肉量を増やして筋力を高めなければなりません。
今回は、自宅でできる高齢者の筋力トレーニングについて解説します。自宅筋トレの効果やポイント、おすすめメニューなどが分かりますので、ぜひ参考にしてください。
また、後半では、高齢者の自宅筋トレに役立つ「VRTXバンド」を紹介します。筋力トレーニングの負荷を安全に高められる器具になりますので、こちらもお見逃しなく。
高齢者の自宅筋トレ「期待できる5つの効果」
では初めに、高齢者の自宅筋トレで期待できる効果を紹介します。具体的には下記の5つ。
高齢者の自宅筋トレ効果➀「筋肉量が増加する」
自宅で筋力トレーニングを行うことで、年齢に関係なく筋肉量を増やすことができます。そして、筋肉量が増加すると、筋力やバランス力が高まるため、体を動かしやすくなります。
例えば、階段を上りやすくなったり、転倒しにくくなったりなど、生活の質が向上するのです。
高齢者の自宅筋トレ効果②「骨密度が高まる」
人の骨は、加齢と共に徐々に骨密度や骨量が低下し、骨粗しょう症のリスクが高まります。しかし、自宅で筋力トレーニングを行うことで、骨を丈夫にすることができるのです。週に1~2時間の筋力トレーニングを行うと、骨密度が高まるとされています。
高齢者の自宅筋トレ効果③「腰痛や膝痛を予防できる」
腰痛や膝痛の原因は、筋力低下によって関節に無理な負担がかかってしまうことです。しかし、自宅で筋力トレーニングを行うことで、筋力が高まり関節にかかる負荷が軽減されるため、腰痛や膝痛などの関節痛を予防することができるのです。
高齢者の自宅筋トレ効果④「生活習慣病を予防できる」
筋力トレーニングを行うと、糖がエネルギーとして消費されやすくなるため、糖尿病や肥満、高血圧などの生活習慣病の予防や改善に役立ちます。生活習慣病は、心筋梗塞や狭心症などを引き起こす病気としても知られています。筋力トレーニングを行うことは、健康で長生きするためにも重要なのです。
高齢者の自宅筋トレ効果⑤「自立した生活を送れる」
介護を受けている人の割合は、80代前半で約3割、85歳以降は約6割にも上ります。要介護者にならないための一番の予防策は「自宅筋トレ」。筋力トレーニングによって筋肉量の減少スピードが遅くなれば、それだけ長く、自立した生活を送れるようになります。
高齢者の自宅筋トレ「5つの実践ポイント」
次に、高齢者が自宅筋トレを行う場合の実践ポイントを解説します。高齢者は、筋肉の回復力が低下したり、関節の可動域が狭くなったりなど、体の機能が低下していますので、注意しなければなりません。具体的には下記の5つが重要です。
1. 無理なく繰り返せる重量を用いる
高齢者の筋力トレーニングでは、無理なく繰り返せる重量を用いることが大切です。目安としては、最大筋力の70%程度(15~20回繰り返せる重量)を用いるのが良いでしょう。
大久保孝一
パーソナルトレーナー
高齢者は筋肉の回復力が低下しているため、必要以上に大きな負荷を受けてしまうと、逆に筋肉が萎縮し、筋力が低下してしまうので注意してください。
2. 筋肉を意識しながらゆっくり動かす
高齢者の筋力トレーニングでは、筋肉を意識しながらゆっくり動かすことが大切です。なぜなら、筋肉の稼働率が高まり、軽い重量でも筋肉を刺激しやすくなるからです。目安としては、2~3秒で上げて(曲げて)、3~4秒で下ろす(伸ばす)くらいが良いでしょう。
反動を使って速く動かそうとすると、多くの筋肉が動員されてしまい、目的の筋肉を刺激しづらくなります。また、体力が無駄に使われてしまうので注意してください。
3. 適度な可動域を保って動作する
高齢者の筋力トレーニングでは、適度な可動域を保って動作することが大切です。しっかり収縮させることを意識して、無理に伸ばそうとしないことがポイント。
高齢者の筋肉は柔軟性が低下し、関節が可動しづらくなっているため、無理に伸ばそうとすると、関節や腱を損傷する危険性が高くなるので注意してください。
4. ほど良い疲労感で終えるようにする
高齢者の筋力トレーニングでは、筋肉を追い込みすぎないようにすることが大切です。頑張ればあと2〜3回できるかなというところで止めるくらいが丁度良いでしょう。
また、セット数は1種目につき2セットを目安とし、セット間のインターバルは、筋力が回復して次のセットに挑む心の準備ができるまで長めに取ってOKです。
大久保孝一
パーソナルトレーナー
限界まで追い込んでしまうと、筋肉へのダメージが大きくなり、休んでも回復しづらくなってしまうので注意してください。
5. 体に無理のない週間頻度で行う
高齢者の筋力トレーニングでは、体に無理のない週間頻度で行うことが大切です。目安としては、2~3日おきに週2回行うのが良いでしょう。例えば、月・木や火・金など。
高齢者の筋肉が回復するには、筋トレ後72〜96時間程度かかります。そのため、週3日以上行ってしまうと回復が追い付かず、逆効果となる可能性が高いのです。
- 無理なく繰り返せる重量を用いる
- 筋肉を意識しながらゆっくり動かす
- 適度な可動域を保って動作する
- ほど良い疲労感で終えるようにする
- 体に無理のない週間頻度で行う
高齢者の自宅筋トレ「鍛えるべき3つの重点部位」
続いて、高齢者が自宅筋トレで鍛えるべき重点部位を解説します。高齢者が体の運動機能を向上させるには、下記の3部位を鍛えることが大切です。
1. 下半身(太もも・ふくらはぎ・お尻)
下半身には全身の約70%の筋肉量が集中しているのですが、その分、加齢に伴う筋肉量の減少率が高く、20代後半から徐々に減り始めるとされています。つまり、高齢者が直面する老化現象は下半身から始まるのです。
したがって、老化のスピードを遅らせるには、下半身の筋肉を優先的に鍛えることが重要になってきます。
2. 体幹(お腹まわり・腰まわり)
体幹(お腹まわり・腰まわり)は「体の軸」となる重要な部位です。体幹が安定することで、腕や脚に筋力が伝わりやすくなり、体の運動機能が高まります。
また、体幹は、正しい姿勢を保つ役目も担っています。よって、高齢者の運動機能を高め、姿勢を改善するには、体幹を鍛えることが重要なのです。
3. 肩甲骨まわり
肩甲骨は、上半身の主要な筋肉と連結し、肩や腕の動きに大きく関係しています。つまり、肩甲骨まわりの筋肉が強化されることで、肩や腕の動きがスムーズになるのです。
肩や腕は日常生活での使用頻度が高いため、高齢者が生活の質を向上させるには、肩甲骨まわりの筋肉の強化は欠かせません。
- 下半身(太もも・ふくらはぎ・お尻)
- 体幹(お腹まわり・腰まわり)
- 肩甲骨まわり
高齢者におすすめの自宅筋トレメニュー6選
それでは、高齢者におすすめの自宅筋トレメニューを紹介します。具体的には下記の6種目です。これらの中から2〜3種目を選び、週2回を目安に行うようにしましょう。
1. 高齢者自宅筋トレメニュー➀「しゃがんで立ち上がる」
やり方
- 肩幅よりも広く足を開いて立つ
- 手は胸の前に伸ばしておく
- 胸を張って背筋を伸ばす
- 息を吸いながらゆっくりしゃがむ
- しゃがむ深さは、太ももが床と平行になるくらいまで
- しゃがんだ状態で1~2秒キープする
- 息を吐きながらゆっくり立ち上がる
- 動作中に背中が丸まらないように注意する
- 上記の動作を10〜20回×2セットを目安に行う。
2. 高齢者自宅筋トレメニュー②「仰向けてお尻を上げる」
やり方
- 仰向けになり膝を立てて寝る
- 足を肩幅程度に開き、手は体側で伸ばしておく
- 息を吐きながらゆっくりお尻を上げる
- 頭・肩甲骨・足裏で体を支えるようにする
- お尻を高く上げた状態で2~3秒キープする
- キープ中はお尻をキュッと締めておく
- 息を吸いながらお尻をゆっくり下ろす
- お尻が床につく直前でまた上げていく
- 上記の動作を10~20回×2セットを目安に行う
3. 高齢者自宅筋トレメニュー③「立ったまま踵を上げる」
やり方
- 両手を壁につき、腰幅程度に足を開いて立つ
- つま先を真っすぐ前に向ける
- 息を吐きながら踵を上げてつま先立ちになる
- 踵を高く上げた状態で2~3秒キープする
- 息を吸いながら踵をゆっくり下ろす
- 踵が床に触れたらまたすぐに上げる
- 上記の動作を10〜20回×2セットを目安に行う
4. 高齢者自宅筋トレメニュー④「うつ伏せで背中を反らす」
やり方
- 床にうつ伏せになって寝る
- 両足を少し開きまっすぐ伸ばす
- 目線は床に向ける
- 息を吸いながら上半身と脚を同時に上げる
- 無理のない高さまで上げればOK
- 息を吐きながら上半身と脚をゆっくり戻す
- 背中を反らしすぎないように注意する
- 上記の動作を10~20回×2セットを目安に行う
5. 高齢者自宅筋トレメニュー⑤「仰向けで上体を丸める」
やり方
- 床に仰向けになって寝る
- 脚を上げ、膝を閉じて90度程度に曲げる
- 両手は頭の後ろで組み、肘は左右に開いておく
- アゴを引き自分のオヘソを見るようにする
- 息を吐きながら上体を丸めていく
- 頭・首・肩の順に床から離していくようにする
- 背中上部が床から離れる程度まで丸めればOK
- 上体を丸めたまま2~3秒キープ
- 息を吸いながらゆっくり上体を戻す
- 上記の動作を10~20回×2セットを目安に行う
6. 高齢者自宅筋トレメニュー⑥「膝立ちで両腕を回す」
やり方
- 背筋を伸ばして膝立ちになる
- 脇を少し開いて腕を伸ばしておく
- 腕を伸ばしたまま前から後ろへ大きく腕を回す
- お腹→頭上→背中まで腕を動かす
- 背中まで回したら、後ろから前に腕を回して戻す
- 動作中に背中が丸まらないように注意する
- 上記の動作を10〜20回×2セットを目安に行う。
高齢者の筋力トレーニングには「VRTXバンド」がおすすめ
高齢者の筋力トレーニングにおすすめなのが「VRTXバンド」です。関節や腱に負担をかけずに、筋力トレーニングの強度を高めることができます。
VRTXバンドとは、米国特許取得の新感覚素材を採用したトレーニングチューブ。丈夫で切れにくく、肌触りも滑らかであるため、常に快適な状態でトレーニングができます。
また、バーベルやダンベルとは違い、初動では負荷がかからず、伸ばすに従って少しずつ負荷が大きくなるため、無理なく安全に筋力トレーニングに取り組めるのです。しかも、バンドの強度は7段階(1~91kg)から選択可能なので、高齢者の方でも全く問題ありません。
米特許取得の新感覚素材を採用。日本グッドデザイン受賞。切れにくく、肌に優しい。安全性と快適性を実現。
◉「VRTX BAND」の選ばれる理由- 肌触り良く、切れる心配なし: 米特許取得の新感覚素材を使用。切れにくく肌に優しい。ゴムチューブの劣化や肌への問題を解消し、トレーニング初心者でも安全かつ快適に利用可能。
- 幅広い強度バリエーション: 7段階の強度設定。1kgから91kgの負荷調整可能。初心者から上級者、老若男女を問わず、種目に応じてバンドを使い分け、多彩なトレーニングが実現。
- トレーニング動画100本以上を公開: 各領域のトレーナーが使用方法を紹介する動画を100本以上公開中。筋力トレーニングに限らず、ストレッチや競技パフォーマンス向上にも活用可能。
VRTXバンドの活用例「下半身の筋力を高めるトレーニング」
VRTXバンドで負荷をかけてトレーニングすることで、下半身全体(太もも・ふくらはぎ・お尻)への刺激が強まり、筋肉増量や筋力アップの効果を高めることができます。
やり方
- 両足を肩幅程度に開いてバンドを踏む
- 一旦しゃがみ、バンドを肩にかけて立ち上がる
- つま先を少し外側に向け、胸を張って背筋を伸ばす
- 息を吸いながら、ゆっくりとしゃがむ
- しゃがむ深さは、太ももが床と平行になるくらいまで
- しゃがんだら、息を吐きながら立ち上がる
- 立ち上がる際は、膝を伸ばし切る一歩手前で切り返す
- 上記の動作を10~20回×2セットを目安に行う
【高齢者におすすめの強度】(VRTXバンド「オリジナルタイプ」※動画内で使用)
強度の詳細はこちら- 普段運動している方 : 1番「X-Light」~2番「Light」
- 普段運動していない方 : 00番「Double Zero」~0番「Zero」
筋力トレーニングの効果を高めるには、筋力アップに応じて、VRTXバンドの強度を上げていくことが大切です。目安としては、20回以上楽に繰り返せるようになったら、バンドの強度を1段階アップさせると良いでしょう。
まとめ / 自宅筋トレは高齢者にとって一番の健康法
高齢者の筋肉減少を防ぐには、筋力トレーニングが不可欠です。適切な「自宅筋トレ」を続けることで、70代でも80代でも筋肉量を増やし、筋力を高めることができます。
筋力トレーニングを始めるのに遅すぎるということはありません。生涯に渡って動ける体を維持するために、高齢者の方には「自宅筋トレ」をおすすめします。