コラム

60代からの筋トレで体が若返る!高齢者が筋肉をつけるための種目と注意点を解説

「60代からでも筋肉はつけられるの?」と思っていませんか。ご安心ください。適切な方法で筋トレを続けていけば、60代からでも筋肉増強は可能です。また、筋トレによって身体機能が向上し、さまざまな健康効果が期待できます。

本記事では、60代の方に適した筋トレのやり方や、筋トレが60代の方にもたらす効果について解説します。筋トレで体を若返らせたい方は、ぜひ参考にしてください。

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この記事を監修した人
大久保孝一
VRTX編集部 | パーソナルトレーナー・健康運動実践指導者

この記事を監修した人
大久保孝一|パーソナルトレーナー/健康運動実践指導者

トレーナーとしての経験は32年あります。 これまで、初心者~アスリート・ボディビルダーまで、 約2000人のボディメイクのお手伝いをさせていただきました。 現在は、栃木・茨城・埼玉を中心に活動し、 独自の「最大筋収縮トレーニング法」を用いて、 関節に優しい筋トレのやり方を指導しています。

60代は若い頃に比べて筋肉量が約30%も減る

60代になると、タンパク質による筋合成率が急激に低下するため、何も手を打たなければ、20〜30代のピーク時に比べて筋肉量が約30%も減少します。

筋肉量が少ないと、歩行などの日常動作が行いにくくなるだけでなく、糖尿病や感染症なども発症しやすくなるため、できるだけ早期に対策を講じる必要があります。

筋肉量の減少を抑える一番の予防策は筋トレです。筋肉は年齢に関係なく強化できます。60代からであっても、適切な筋トレを継続すれば、筋肉量の減少を抑えるどころか、筋肉量を増やすこともできるのです。

筋トレが60代の方にもたらす7つの効果

では、筋トレが60代の方にもたらす主な効果について見ていきましょう。具体的には、下記の7つの効果が期待できます。

筋肉量の維持・増加

60代であっても、適切な筋トレの継続によって、筋肉量の維持・増加が可能です。筋トレによって筋肉が刺激されると、年齢に関係なく成長ホルモンの分泌が活発になります。すると、タンパク質の筋合成が促進され、筋肉量の維持・増加につながるのです。

筋肉量が増加すれば、筋力も向上させられます。特に下半身・体幹の筋力アップは、歩行やバランス機能を高め、老化を予防するうえで非常に重要です。

基礎代謝のアップ

60代であっても、筋肉量が増加すると基礎代謝がアップし、太りにくい体になってきます。基礎代謝とは、心拍や呼吸、体温を維持する必要最低限のエネルギーです。しかも、座っているだけでも消費され、1日の総消費エネルギーの約70%を占めています。

加齢とともに太りやすくなるのは基礎代謝の低下が原因です。お腹の脂肪が気になる方は、筋トレによって基礎代謝を高め、太りすぎを予防しましょう。

転倒のリスク軽減

下半身の筋肉強化によって、60代以降高くなる転倒のリスクを軽減できます。高齢者が転倒しやすくなる一番の原因は、太もも・ふくらはぎを中心とした下半身の筋力低下です。

下半身の筋肉が衰えると、歩行時の歩幅が狭くなり、つまずきやすくなったりバランスを崩しやすくなったりします。しかし、筋トレによって下半身の筋肉が強化されると、歩行時の歩幅が広がり、バランス能力も向上するため、転倒のリスクを軽減できるのです。

腰痛・膝痛の予防

60代は腰痛や生活習慣病の予防膝痛が起こりやすい年代です。しかし、筋トレによって筋力が向上すると、日常動作における関節への負担が軽減され、腰や膝の痛みを予防できます。

たとえば、脚の筋力が向上すると、階段の昇り降りをするときに膝への負担が軽減されます。また、体幹(腹筋・背筋)の筋力が向上すると、猫背や反り腰などが改善され、腰への負担を軽減できるのです。

生活習慣病の予防

筋トレの継続によって、生活習慣病の予防効果も期待できます。特に60代は、肥満や高血圧、糖尿病の発症率が高まるので、適切な筋トレによる予防が重要です。

筋肉を鍛えれば、糖の消費量がアップするため、自然と血糖値が下がりやすい体になり、血糖の調整に不可欠なインスリンの感受性も高まります。その結果、脂肪の蓄積や血管の老化が抑えられ、生活習慣病の予防につながるのです。

免疫力の向上

成長ホルモンには免疫力を高める働きがあるため、筋トレによって成長ホルモンの分泌が活発になれば、免疫力の向上が期待できます。

60代になると、筋肉量の減少とともに免疫力も低下し、風邪や肺炎などの病気にかかりやすくなります。風邪をひきやすい人や体調を崩しやすい人は、適度な筋トレによって筋肉を強化し、免疫力を向上させることが大切です。

認知症の予防

筋トレや有酸素運動には、脳への血流量や酸素供給量を増やす効果もあるため、高齢者の認知症予防にも役立つと考えられています。

特に、65歳以上になると認知症の発症率が高まるため、60代になったら、早期からの認知症予防が大切です。研究によれば、軽強度の筋トレを継続すると、脳が活性化され、判断や計画などの認知機能が高まることが確認されています。

60代で筋トレをする際の注意すべきポイント

60代は体力・筋力が低下しているため、高重量でハードに鍛える筋トレは逆効果です。筋トレを無理なく続けるためには、年齢に見合った負荷・強度で行いましょう。ここでは、60代の方が筋トレを行う際に注意すべき5つのポイントを解説します。

下半身・体幹を中心に鍛える

60代の方が最優先で鍛えるべき重点部位は下半身です。特に60代以降は、太もも・ふくらはぎの筋力が低下しやすいので注意してください。

下半身の筋力低下は老化を早めます。老化をくい止めるには、下半身を重点的に鍛え、太ももやふくらはぎの筋肉量を維持・増加させることが大切です。

また、体幹(腹筋・背筋)も、60代以降の体力や筋力の向上に大きく関係しています。体幹とは、筋力を発揮する土台となる重要な部位です。体幹がしっかり安定することで、手足の末端まで筋力が伝わりやすくなり、日常動作を行いやすくなります。

軽めの重量でゆっくり動かす

60代の方が筋トレを行う際は、軽めの重量でゆっくり動かすことが大切です。3秒で上げて3秒で下ろしながら、10〜15回繰り返せる重量を目安にしましょう。

軽めの重量でゆっくり動かすことで、筋肉に持続的な負荷がかかり、少しずつ無理なく刺激できます。60代の筋肉は瞬発力を発揮しづらくなっているため、瞬時に大きな筋力を発揮しようとすると、体への負担が大きくなってしまうので注意してください。

関節に痛みを感じる種目は避ける

60代になると体の柔軟性も低下し、関節の可動域が狭くなってきます。そのため、無理に可動域を広げようとすると、関節付近に痛みが生じやすくなってしまうのです。

もし、軽い重量で動作しているにも関わらず、筋肉ではなく関節付近に痛みを感じる場合には、その種目は中止し、他の種目を行うようにしてください。

種目数・セット数を多くし過ぎない

60代の方が筋トレを行う際は、種目数・セット数を多くし過ぎないよう注意してください。初心者の方は、1つの部位に対して1種目のみ行い、セット数は1〜2セットで十分です。1〜2分のインターバルを挟みながら、10〜15回ずつ繰り返しましょう。

種目数・セット数が多すぎると、体力の消耗が激しくなり、途中で筋トレの続行が不可能になる場合があります。初心者の方は、10〜15分で終了できる程度の量がベストです。

週間頻度を高くし過ぎない

筋トレ効果を高めるには、週間頻度を高くし過ぎないことも大切です。60代の方が筋トレを行う場合は、週1〜2回の頻度が適しています。たとえば、月・木や火・金などの週2回です。中2〜3日開けることで、筋肉を十分回復させられます。

週間頻度を多くし過ぎてしまうと、筋トレ後の疲労回復が追いつかず、筋トレをやればやるほど疲労が蓄積し、体力・筋力が低下してしまうので注意してください。

60代の方におすすめの筋トレ種目7選

60代の方には「自重」と「ダンベル」での筋トレがおすすめです。自重は器具を持たないので、フォームを安定させやすくケガのリスクも軽減できます。ダンベルは片方1kg以下の軽重量からあるので、筋力が弱くても動作しやすいのが特徴です。

ここでは「自重」と「ダンベル」を使用した筋トレ種目を紹介しますので、まずは強化したい部位の種目を1〜2種目選び、無理のない範囲で取り組んでみてください。

スクワット

スクワットでは、太ももの筋肉が強化されます。

やり方

  1. 肩幅程度に足を開き、つま先を少し外側に向けて立つ
  2. 両手は胸の前に伸ばしておく
  3. 動作中は胸を張り、背筋を伸ばした状態を維持する
  4. スタート姿勢から、息を吸いながらゆっくりしゃがむ
  5. 太ももが床と平行になるくらいまでしゃがむ
  6. しゃがんだ位置から、息を吐きながらゆっくり立ち上がる
  7. 上記4〜6を繰り返す
  8. 10~15回×1~2セットを目安に行う
カーフレイズ

カーフレイズでは、ふくらはぎの筋肉が強化されます。

やり方

  1. 両手を壁につき、つま先を真っすぐ前に向けて立つ
  2. 息を吐きながら、かかとをゆっくり上げてつま先立ちになる
  3. かかとをできるだけ高い位置まで上げる
  4. かかとを上げた位置で2~3秒キープする
  5. 息を吸いながらゆっくり下ろしていく
  6. かかとが床に触れたら、すぐにまた上げるようにする
  7. 上記2〜6を繰り返す
  8. 10~15回×1~2セットを目安に行う
バックエクステンション

バックエクステンションでは、背中の筋肉が強化されます。

やり方

  1. 床にうつ伏せになって寝る
  2. 両足を少し開いて伸ばし、両手は頭の後で組む
  3. 息を吸いながら、上半身と両足をゆっくり床から浮かす
  4. 背中を反らし過ぎないよう注意する
  5. 息を吐きながら、ゆっくり床に戻す
  6. 上記3~5を繰り返す
  7. 10~15回×1~2セットを目安に行う
クランチ

クランチでは、腹筋が強化されます。

やり方

  1. 床に仰向けになって寝る
  2. 膝を立て、両手を頭の後ろで組む
  3. アゴを引き自分のオヘソを見るようにする
  4. 息を吐きながら、上半身を丸めるようにゆっくり起こす
  5. オデコをオヘソに近づけるイメージで行う
  6. 起こす高さは、背中上部が床から浮く程度でOK
  7. 息を吸いながら、上半身をゆっくり戻す
  8. 上記4~7を繰り返す
  9. 10~15回×1~2セットを目安に行う
プランク

プランクでは、体幹(腹筋・背筋)が強化されます。

やり方

  1. 両脚を真っすぐ伸ばし、床にうつ伏せに寝る
  2. 肘を曲げて前腕部を床につけ、上半身を起こす
  3. つま先を立てて、下半身も床から浮かせる
  4. 体全体が一直線になるよう意識する
  5. 目線を下に向け、そのままの姿勢をキープする
  6. 呼吸は止めずに行う
  7. 30~60秒キープ×1~2セットを目安に行う
ダンベルベンチプレス

ダンベルベンチプレスでは、胸・肩・二の腕の裏側が強化されます。

やり方

  1. ダンベルを持ち、ベンチに仰向けに寝る
  2. 肩甲骨をしっかり寄せて胸を張る
  3. 腕を天井に向けて伸ばし、親指側が向き合う状態で構える
  4. 息を吸いながら腕を曲げ、ダンベルをゆっくり下ろしていく
  5. 肘の角度が90度になるまでダンベルを下ろす
  6. ダンベルを下ろしたときに、握り拳が肘よりも内側にくるようにする
  7. 息を吐きながら、ゆっくり腕を伸ばしていく
  8. 上記4〜7を繰り返す
  9. 10〜15回×1〜2セットを目安に行う
ダンベルローイング

ダンベルローイングでは、背中・二の腕の表側(力こぶ)が強化されます。

やり方

  1. ベンチに片側の手と膝を乗せ、体を前傾させる
  2. もう片方の手でダンベルを握り、肩からぶら下げて持つ
  3. 背中は真っすぐに伸ばした状態にしておく
  4. 息を吸いながら、ダンベルをゆっくり引き上げる
  5. 肘をできるだけ後方に引くよう意識する
  6. 息を吐きながら、ゆっくりとダンベルを下ろしていく
  7. 上記4~6を繰り返す
  8. 反対側でも同様に行う
  9. 片側10~15回×1~2セットずつを目安に行う

60代の筋トレには「トレーニングチューブ」もおすすめ

トレーニングチューブとは、ゴムの張力を利用して負荷をかける筋トレ器具です。動作を始める前は負荷がかからず、チューブを伸ばすに従って少しずつ負荷が大きくなるため、60代の方でも、自分の筋力に合わせて無理なく筋肉を強化できます。

安全性・快適性に優れたトレーニングチューブを選ぼう!

トレーニングチューブには注意すべき点もあります。トレーニングチューブはゴム素材の製品が多いため、劣化すると切れる可能性があるのです。使用中に突然切れた場合、ケガにつながる危険性もあります。

劣化による断裂を防ぎ、安全に筋トレをしたい方には「VRTXバンド」がおすすめです。VRTXバンドは米国特許取得の新感覚素材を採用しているため、断裂の心配がありません。また、負荷のかかり方が非常に滑らかであり、快適な使い心地が得られます。

さらには、バンドの強度が7段階(1〜91kg)に分かれているため、筋力が弱い人でも、自分に合った強度での筋トレが可能です。

VRTXフィットネスバンド
米特許取得の新感覚素材を採用したトレーニングバンド。切れにくく、肌に優しい。安全性と快適性を実現。 「VRTX BAND」の選ばれる理由
  1. 肌触り良く、切れる心配なし: 米特許取得の新感覚素材を使用。切れにくく肌に優しい。ゴムチューブの劣化や肌への問題を解消し、トレーニング初心者でも安全かつ快適に利用可能。
  2. 幅広い強度バリエーション: 7段階の強度設定。1kgから91kgの負荷調整可能。初心者から上級者、老若男女を問わず、種目に応じてバンドを使い分け、多彩なトレーニングが実現。
  3. トレーニング動画100本以上を公開: 各領域のトレーナーが使用方法を紹介する動画を100本以上公開中。筋力トレーニングに限らず、ストレッチや競技パフォーマンス向上にも活用可能。
VRTXバンドの使用例

VRTXバンドを使用すれば、体のほぼ全ての筋肉を強化できます。今回は、それらの筋トレ種目の中から、60代の方におすすめの3種目を厳選してご紹介します。

スクワット

ポイント

  • 太ももを中心に下半身全体の筋肉を強化できる
  • 立ち上がりながら少しずつ負荷が高まるので動作しやすい
  • ゆっくりしゃがんで力強く立ち上がると筋肉への刺激が強まる
  • 10〜15回×1〜2セットを目安に行う

チェストプレス

ポイント

  • 胸・肩・二の腕の裏側の筋肉を強化できる。
  • 腕を伸ばしながら少しずつ負荷が高まるので動作しやすい
  • 力強く伸ばしてゆっくり戻すと筋肉への刺激が強まる
  • 10~15回×1~2セットを目安に行う

ベントオーバーローイング

ポイント

  • 背中と力こぶの筋肉を強化できる
  • 肘を引きながら少しずつ負荷が高まるので動作しやすい
  • 力強く引いてゆっくり戻すと筋肉への刺激が強まる
  • 10〜15回×1〜2セットを目安に行う
60代の筋トレに適したバンドの強度(目安)

強度の詳細はこちら

➀ 60代初心者(トレーニング経験3ヶ月未満)
  • 男性 : 0番「ZERO」~ 1番「X-LIGHT」
  • 女性 : 00番「DOUBLE ZERO」~0番「ZERO」
② 60代中級者(トレーニング経験3ヶ月以上)
  • 男性 : 1番「X-LIGHT」~2番「LIGHT」
  • 女性 : 0番「ZERO」~1番「X-LIGHT」
③ 60代上級者(トレーニング経験6ヶ月以上)
  • 男性 : 2番「LIGHT」~3番「MEDIUM」
  • 女性 : 1番「X-LIGHT」~2番「LIGHT」

【バンドの強度をアップさせるタイミング】

筋肉を強化するには、筋力アップに応じて、VRTXバンドの強度を上げていくことが大切です。目安としては、正しいフォームで15〜20回繰り返せるようになったら、VRTXバンドの強度を1段階アップさせるとよいでしょう。

まとめ

60代は、健康寿命を延ばすうえで非常に重要な年代です。運動不足のまま過ごしてしまうと、筋力は確実に低下し、少しずつ日常動作にも支障が出てきます。

60代からの体の衰えをくい止めるには筋トレが一番です。

適切な筋トレを行えば、年齢に関係なく筋肉は強化され、身体機能が向上します。ぜひ筋トレを習慣化し、毎日を元気にお過ごしください!

快適な強化、VRTXで実感。