コラム

スクワットの正しいやり方・注意点は?効果的なバリエーションも紹介

スクワットは、太ももの筋量増加や下半身の引き締めに欠かせないエクササイズです。しかし、フォームが悪いと、効果が出ないばかりか腰や膝を痛めてしまうこともあります。

本記事では、スクワットの正しいやり方・注意点について、初心者の方にもわかりやすく解説します。また、スクワットの効果的なバリエーションや、便利なトレーニング用アイテムも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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この記事を監修した人
大久保孝一
VRTX編集部 | パーソナルトレーナー・健康運動実践指導者

この記事を監修した人
大久保孝一|パーソナルトレーナー/健康運動実践指導者

トレーナーとしての経験は32年あります。 これまで、初心者~アスリート・ボディビルダーまで、 約2000人のボディメイクのお手伝いをさせていただきました。 現在は、栃木・茨城・埼玉を中心に活動し、 独自の「最大筋収縮トレーニング法」を用いて、 関節に優しい筋トレのやり方を指導しています。

スクワットで鍛えられる主な筋肉

スクワットを行うと、下半身全体の筋肉が鍛えられます。その中でも、特に重点的に鍛えられる筋肉が「大腿四頭筋」「内転筋」「大殿筋」です。では、それぞれの筋肉の特徴や働きについて、詳しく見ていきましょう。

1. 太もも表側の「大腿四頭筋」

大腿四頭筋とは、太もも表側の筋肉であり、大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋の総称です。大腿四頭筋は、人体の中で最も筋量が多く、非常に強い力を発揮します。

主な働きは、膝を伸ばす「膝伸展」です。スクワットで最も使用される筋肉であり、大腿四頭筋が鍛えられると、パワフルでたくましい太ももになってきます

2. 太もも内側の「内転筋」

内転筋とは、太もも内側の筋肉であり、恥骨筋・長内転筋・短内転筋・薄筋・小内転筋・大内転筋の総称です。

内転筋は股関節の動きに関与し、太ももを内側に閉じる「股関節内転」や、太ももを後方に振る「股関節伸展」などの役割を担っています。内転筋が鍛えられると、内ももが引き締まり、太ももの見栄えが良くなってきます

3. お尻全体を覆う「大殿筋」

大殿筋とは、お尻全体を覆っている筋肉です。大腿四頭筋に次いで筋量が多く、非常に大きな力を発揮します。

主な働きは、太ももを後方に振る「股関節伸展」です。お尻は、後ろ姿の見栄えを良くするための重要な部位。大殿筋が鍛えられると、お尻がキュッと引き締まり、後ろ姿が美しくなってきます

スクワットで得られる主な効果

スクワットは、全身の筋肉を鍛えることができる優れたエクササイズであり、さまざまな効果をもたらします。では、スクワットで得られる主な効果を見ていきましょう。

1. 下半身の筋量が増える

スクワットを行うと、太もも・お尻を中心に下半身の筋量が増加します。すると、見た目がたくましくなるだけでなく、走力やジャンプ力なども向上します。また、下半身が強化されると上半身も筋力を発揮しやすくなるため、全身に筋肥大効果が及ぶのです。

2. 基礎代謝が上がる

下半身の筋量は、全身の筋量の約60〜70%を占めています。そのため、スクワットで下半身を鍛えると、基礎代謝が上がりやすいのです。基礎代謝が上がれば、エネルギー消費量も増加し、脂肪が燃えやすくなります。スクワットはダイエットにも有用なのです。

3. 心肺機能が高まる

スクワットは全身運動であるため、動作中の酸素摂取量が増加します。その結果、心臓や肺の働きが活発となり、心肺機能が高まるのです。心肺機能が高まると、体を効率良く使えるようになり、長時間動いても息切れしにくくなります。

スクワットの正しいやり方・注意点

安全で効果的なスクワットを行うには、まず、基本となる「自重スクワット」をマスターすることが重要です。では、自重スクワットの動作を3つのパートに分けて解説します。

1. スタート姿勢の作り方
  1. 足を肩幅程度に開いて立ち、両手を前に伸ばす

  2. 左右のつま先はやや外側を向けておく

  3. 胸を張り、背中を真っ直ぐにする

  4. 目線は正面に向けておく

⚠️【注意点】
  • つま先を外側に開きすぎると、しゃがみにくくなり腰を痛めやすい

  • つま先は、左右対称に開くよう心がける

2. しゃがみ方
  1. 息を吸いながら、お尻を後ろに突き出すと同時に膝を曲げていく

  2. しゃがみながら、上体をやや前傾させていく

  3. 踵を浮かさずに、足の裏全体で床を踏みしめるようにしゃがむ

  4. 2~3秒かけて、太ももが床と平行になるくらいまでしゃがむ

⚠️【注意点】
  • 背中が丸まってしまうと、腰への負担が大きくなってしまう

  • 左右対称に開かれたつま先と同じ方向に膝が向くようにする

3. 立ち上がり方
  1. 息を吐きながら、前傾姿勢のまま立ち上がり始める

  2. 立ち上がりながら、上体を起こしていく

  3. フィニッシュでは、背中を真っ直ぐにした直立姿勢に戻る

  4. 立ち上がる時は、自然なスピードで立ち上がるようにする

⚠️【注意点】
  • 立ち上がる時に、膝が内側に入らないようにする

  • しゃがんだ位置でキープすると、膝への負担が大きくなってしまう

スクワットの回数・セット数・頻度

自重スクワットの回数・セット数・頻度の決め方について解説します。初心者の方は、次の決め方を参考にしてプログラムを組み、無理のない範囲で行ってください。

1. 回数の決め方

自重スクワットは自分の体重を負荷とするので、人によって反復できる回数が異なります。よって、何回と決め打ちするのではなく、出来るだけ多く反復するよう心がけてください。

ただし、正しいフォームで50回以上反復できるのであれば、ダンベルなどで負荷を高め、20回程度で限界に達するようにした方が、スクワットの効果が高まります

2. セット数の決め方

初心者の方は、まずは1セットから始めましょう。そして、体が慣れてきたら2セットに増やしてみてください。セット間のインターバルは、呼吸が整うまで取ってOKです。スクワットのセット数は2セットを基本とし、体力に応じて3セットまで増やしても構いません

3. 頻度の決め方

自重スクワットの頻度は、2〜3日おきに週2回が目安です。例えば、月・木や火・金の週2回。太ももやお尻は筋量が多く、疲労回復に時間がかかるため、頻度を多くしすぎないよう注意してください。

もし、2〜3日休んでも筋肉痛が残っている場合には、その日はスクワットをやらず、筋肉痛が治まるまで待つようにしましょう。

スクワットの効果的なバリエーション4選

スクワットの効果的なバリエーションを紹介します。具体的には次の4種目です。バーベルやダンベルで負荷を高めることによって、太ももの筋肥大効果が高まります。自重スクワットで高回数できるようになったら、ぜひチャレンジしてみてください。

1. バーベルスクワット

【ポイント・注意点】

  • 正面を向いて胸を張り、背中を丸めない
  • 太ももが床と平行になる深さまでしゃかむ
  • しゃがんだ位置でキープしない
  • 15~20回×2~3セットを目安とする
2. ダンベルスクワット

【ポイント・注意点】

  • 胸を張りすぎて腰が反らないようにする
  • 足の裏全体に重心を乗せる
  • 膝が内側に入らないようにする
  • 15~20回×2~3セットを目安とする
3. ワイドスタンススクワット

【ポイント・注意点】

  • 足を肩幅よりも広く開き、つま先を外側に向ける
  • つま先と同じ方向に膝を向ける
  • しゃがんだ時に、膝がつま先よりも前に出ないようにする
  • 15~20回×2~3セットを目安とする
4. ブルガリアンスクワット

【ポイント・注意点】

  • 正面を向いて胸を張り、背中を丸めない
  • つま先と膝を真っ直ぐ前に向ける
  • ダンベルは真っ直ぐ垂直に下ろす
  • 片側15~20回×2~3セットを目安とする

深くしゃがむ「フルスクワット」は危険!

トレーナーの中には、深くしゃがむ「フルスクワット」を推奨している人も多くいます。しかし、フルスクワットは膝に大きな負担がかかるため、おすすめできません

スクワットで鍛えられる大腿四頭筋は、膝を伸ばすための筋肉です。つまり、立ち上がりながら収縮が強まり、発揮できる筋力が大きくなっていきます。逆に、しゃがむ動作では伸ばされ、発揮できる筋力が小さくなっていきます。したがって、深くしゃがんだ位置では、大腿四頭筋は筋力を発揮しておらず、膝関節だけで負荷を支えているのです。

深くしゃがむと辛く感じるため、大腿四頭筋に効いていると思っている人が多くいます。しかし実際には、大腿四頭筋の代わりに膝関節で負荷を支えているから辛いのです。

スクワットを安全に行うには、しゃがむ深さは、太ももが床と平行になるまでにしてください。もし膝に不安がある場合には、もっと浅くてOKです。

スクワットに関するQ&A

スクワットでよくある質問を、Q&A形式で紹介します。特に「筋力に自信がない」「腰や膝に不安がある」「脚を太くしたくない」という方は、ぜひ参考にしてください。

1. スクワットで腰が痛くなる原因は?

スクワットで腰を痛める主な原因は、「体幹(お腹まわりの筋肉)が弱い」「腰に負担がかかるフォームで行っている」の2つです。体幹が弱いと、スクワットの動作が安定せず、腰椎(腰の骨)に過剰な負荷がかかり、腰を痛めやすくなります。

また、スクワットの動作中に背中が丸まってしまうと、背筋や三角筋などの支持筋が働かなくなり、腰にかかる負荷が大きくなってしまうので注意してください。

2. 脚が太くならないスクワットってある?  

脚を太くしたくない場合には、スロースクワットがおすすめです。4〜5秒かけてしゃがみ、4〜5秒かけて立ち上がりましょう。スクワットをゆっくり行うと、筋肥大しにくい赤筋が刺激されやすくなるため、しなやかで引き締まった筋肉になってきます。

スロースクワットを行う際は、バーベルやダンベルは使用せず、必ず自重のみで行ってください。

3. 高齢者におすすめのスクワットは?

高齢者の方には、浅くしゃがむスクワットがおすすめです。しゃがむ深さを浅くすることで、腰や膝への負担を軽減できます。目安としては、膝の角度が「く」の字になる程度までしゃがめばOKです。

キツイ場合には、椅子の背に手を置いて行いましょう。また、毎回同じ深さまでしゃがまなくて良いので、疲れてきたら、更に浅くしてください。

ダンベル以外でスクワットの負荷を高めるには?

ダンベルやバーベルは、スクワットの負荷を高めるのに有用な器具です。しかし「自宅にダンベルやバーベルがない」「出張などでジムに行けない日もある」という方も多いのではないでしょうか?

そんなときにおすすめなのが「VRTXバンド」です。

VRTXバンドは、1kgから91kgまで対応した7段階の強度設定があり、初心者〜上級者まで幅広く使える次世代フィットネスバンド。

スクワットにも対応しており、場所を選ばず、本格的な負荷でのスクワットが可能です。「効きを良くしたい」「強度を高めたい」そんなときでも、無理なく安全にスクワットを行う手段として活用できます。

【VRTXバンドの活用例】
VRTXバンドでスクワットを行うと、ゴムの張力を利用して体に優しく負荷をかけられるため、膝や腰への負担を抑えながら筋肥大効果を高めることができます。VRTXバンドを活用したスクワットの一例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

安全で効果的なスクワットで鍛えよう!

スクワットは、太ももの筋量増加や下半身の引き締めに欠かせないエクササイズです。ただし、安全で効果的なスクワットを行うには、腰や膝への負担が少ないフォームをマスターしなければなりません。そのためには、まずは「自重スクワット」で基本的なフォームを身に付けることが重要です

そして、自重スクワットで高回数繰り返せるようになったら、ぜひスクワットのバリエーションにもチャレンジしてみてください!



快適な強化、VRTXで実感。