ハンドボールのチューブトレーニング!競技力をアップさせる方法を動画で解説
ハンドボールの競技力をアップさせるには、筋力トレーニングが不可欠です。しかし、ポジション別や目的別の鍛え方をどうするかなど、筋力トレーニングのやり方で悩んでいるハンドボール指導者の方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ハンドボールに必要な筋力トレーニングについて詳しく解説します。ハンドボールにおすすめの「チューブトレーニング」を動画で紹介しますので、指導者の方はぜひ参考にしていただき、選手たちのレベルアップに役立ててください。
ハンドボール上達のカギを握る「4つの強化ポイント」
1. ハンドボールのジャンプ力を強化する
ハンドボールでは、走りながら高くジャンプしてシュートを打ちます。そのため、ハンドボールのジャンプ力を強化するには、股関節の出力を高める必要があるのです。股関節はあらゆる方向への動作が可能ですが、ジャンプシュートで大きな力を発揮するには、特に股関節の伸展動作が重要になってきます。
股関節をしっかり伸展させることで、太ももを後方に振り上げやすくなり、より高い位置からのジャンプシュートが可能となるのです。股関節の伸展動作を強化するには、大臀筋やハムストリングスの筋力アップがポイントになります。
2. ハンドボールのシュート力を強化する
ハンドボールで強いシュートを打つには、胸を張り、上半身を真っ直ぐ起こしたまま地面を強く蹴ってジャンプする必要があります。上半身が前傾してしまうと、腕の振りが小さくなり、強いシュートを打ちづらくなってしまうのです。
上半身を起こした状態を保つには、腹筋・背筋の強化が欠かせません。腹筋と背筋は拮抗筋であり、腹筋は腰椎の屈曲、背筋は腰椎の伸展の役割を担っています。そのため同時に鍛えるのが鉄則です。
とちらかだけが強くなると、拮抗のバランスが崩れ、強化が難しくなってしまうので注意してください。
3. 止まった状態での筋力発揮能力を強化する
ポストプレーヤー・ゴールキーパーは助走ができないため、止まった状態で大きな筋力を発揮する能力を強化する必要があります。特にポストプレーヤーは、体をターンさせる動作の頻度が高いので、腹斜筋・外転筋・内転筋などの筋力アップがポイントです。
また、ゴールキーパーが脚を使ってボールを止めるには、股関節の外転・外旋(脚を外側に向けて開く・捻る動作)を強化しなければなりません。そのためには、大臀筋・中臀筋・内転筋などの筋力アップがポイントになります。
4. ハンドボールに必要な体幹を強化する
ハンドボールはコンタクトスポーツの要素が強く、相手に接触されながら如何にプレーするかが重要です。よって、ハンドボールを上達させるには、体幹を強化し、動作全般に渡って体の軸をしっかりと安定させなければなりません。
体幹の強化にはフロントプランクやサイドプランクが効果的です。ハンドボールの場合には、お腹まわりを固めながら股関節の動きも取り入れることで、相手と接触しながらも、しっかりと脚を動かせるようになるでしょう。
ハンドボールにはチューブトレーニングがおすすめ
ハンドボールに必要な筋力をアップさせるには、チューブ(ゴムバンド)を使用したトレーニングがおすすめです。チューブトレーニングの一番のメリットは、ハンドボールに必要な筋肉の動きに合わせて抵抗をかけられる点。
たとえば、長いループ状のチューブであれば、選手の腰にチューブをかけて、指導者が後ろから引っ張り抵抗をかけることができます。
そして、抵抗に逆らいながら前方にジャンプするなど、ハンドボールに必要な筋肉の動きに合わせた筋力トレーニングが可能なのです。
バーベルやダンベル、マシンでは、動作が制限されてしまうため、同様のトレーニングはできません。チューブトレーニングを取り入れることで、ハンドボールにおける筋力トレーニングのあらゆる悩みが解決されるでしょう。
ハンドボールのチューブトレーニングを動画で解説
それでは、ハンドボールの「チューブトレーニング」を解説します。目的別・ポジション別のトレーニング方法が4本の動画で紹介されていますので、ぜひ参考にしてください。どの動画から見てもOKです。また、動作のポイントについて箇条書きでまとめておきましたので、動画を見た後の確認用として役立ててください。
1. ジャンプ力・球速を上げるチューブトレーニング
- 両膝立ちの状態から片脚を前方に出す
- 片脚を前に出すと同時にお尻も前に出す
- 股関節を伸ばし切るのがポイント
- 股関節・膝・足首を同時に伸ばしジャンプする
- 斜め上にジャンプし台の上に片脚で着地する
- バリエーションとして片脚でジャンプしてもOK
- 腕を上げたときに胸椎が反るようにする
- 腕を伸ばしたまま後ろに下げて戻すを繰り返す
- 腕が後ろに行ったときも高い位置をキープする
- 膝を支点にして後ろに倒れていく
- 体のラインよりも腕を後ろに下げる
- 体と腕を同時に戻していく
- バンドを引っ張ると同時に体を回旋する
- 回旋動作はなるべくハイスピードで行う
- 胸を張った状態で肩甲骨から回すイメージ
- 中腰から立ち上がると同時に体を回旋する
- 立ち上がるときは真上に上がるよう意識する
- 下半身はキープしたまま上半身だけを回す
- 進行方向と逆の足を一歩踏む
- サイドステップで重心を移動する
- 体のラインを真っ直ぐにして動作する
2. シュート力を上げるチューブトレーニング
- 片膝立ちの状態で片手を頭の後ろでキープする
- 胸を張って肩甲骨を寄せた状態を作る
- 片膝立ちの状態から片脚を一歩前に踏み出す
- 強く踏み込むことを意識して行う
- 立った状態で片手を頭の後ろでキープする
- 胸を張って肩甲骨を寄せた状態を作る
- 片足を横に踏み込みながら上半身を回旋する
- お尻が前に出たり腰が反らないよう注意する
- 姿勢をキープしたままバンドを軸として体を回す
- 伸ばしている脚が地面につかないように動作する
- 片手で地面をしっかり押しながら体を回す
- 片手を上げたときに肘を少し曲げる
- 体の高さのラインに沿って腕を横に閉じていく
- 首を伸ばして脇から閉じるイメージで行う
3. ポストプレーヤー・ゴールキーパーのチューブトレーニング
- バランスボールをギュッと力を入れて持つ
- 両足の真ん中で真っ直ぐ立ち回していく
- 体が倒れてしまったりお尻が出てしまうのはNG
- 体のラインより後ろに手があるようキープ
- 体は真っ直ぐ正面を向けておく
- 体を起こしたまま腰を落としていく
- 軸足はしっかり地面を踏むようにする
- 上半身・骨盤は真っ直ぐにしておく
- 足を上げたときに体が倒れないよう注意する
- バントの張力を維持したまま重心を落とす
- 手を上げた状態をキープして動く
- バンドが体のラインに沿ったまま歩く
- お腹に力を入れて体幹を安定させる
4. 体幹を強化するためのチューブトレーニング
- 肩・股関節・足までを真っ直ぐにする
- 片足を浮かし膝を曲げる動作を10回繰り返す
- 胸を張り肩甲骨を寄せた状態で行う
- 肩・お尻・足のラインを真っ直ぐにする
- 片手でバンドを引っ張る動作を10回繰り返す
- 胸を張り肩甲骨を寄せた状態で行う
- 足がギリギリ地面につかないようにする
- 片足10回ずつ繰り返す
- 腹直筋の上部・下部が同時に鍛えられる
- お尻を上げたまま体を回してバンドを引っ張る
- バンドを引くときにお尻の位置をキープする
- バンド側の膝が内に入らないように注意する
ハンドボールの筋力トレーニングに関するQ&A
ハンドボールの筋力トレーニングに関する「よくある質問と回答」を紹介しますので、ぜひ参考にしていただき、選手のレベルアップに役立ててください。
1. 持久力トレーニングをやり過ぎると筋力が低下するのでは?
たしかに、持久力トレーニングをやり過ぎると筋量・筋力を低下させてしまいます。そこでおすすめしたいのが「インターバルダッシュ」。長時間のランニングなどではなく、インターバルを挟みながら短距離ダッシュを繰り返す方法です。
こうした「高強度低容量」の持久力トレーニングを行うことで、筋量・筋力の低下を最小限に抑えながら持久力を向上させられます。ぜひ試してみてください。
2. 筋肉を大きくしすぎるとスピードが落ちるのでは?
ハンドボールで必要な筋肉は「強くて使える筋肉」です。今回の動画で紹介したチューブトレーニングは、実際の競技動作で役立つ実用的な筋肉を作ることが目的であり、ただ大きいだけの見せかけの筋肉を作るものではありません。
強くて使える筋肉であれば、肥大して太くなるほど筋力が高まり、発揮できるスピードも速くなります。
また、筋肉の両端についている「腱」が発達し、バネのあるダイナミックな動きが強化されるのです。
3. 技術練習と筋力トレーニングを両立させるコツは?
ハンドボールの練習メニューは、技術練習6〜7 : 筋力トレーニング4〜3の割合で組むのがおすすめです。筋力トレーニングは長くやるほど効果が高まるわけではありませんので、短時間で集中して行うようにし、残りを技術練習に割り当てる方が良いでしょう。
筋力トレーニングを短時間で行うには、トレーニング種目を分けて行う「分割法」が有効です。たとえば、上半身と下半身に分けて週2回ずつ鍛えれば、1回のトレーニング量を抑えつつ、全体のボリュームを増やすことができます。
トレーニングチューブ(ゴムバンド)の注意点
トレーニングチューブ(ゴムバンド)は、ハンドボールを上達させる理想的なアイテムです。しかし、注意点もあります。チューブはゴムが原料であるため、使用環境や使用方法により劣化が進行し、切れる可能性があるのです。
たとえば、直射日光や高温多湿な場所で長期間保管していると、劣化が進行して切れやすくなります。また、劣化していなくても、強く引っ張り過ぎて切れてしまうこともあります。したがって、トレーニングチューブ(ゴムバンド)を選ぶ際には、伸縮性や耐久性、安全性をチェックして選ぶ必要があるのです。
ハンドボールの上達を「VRTXバンド」が強力にサポート!
ゴムの断裂を防ぎ、安全にトレーニングしたい方には、動画内でも使用していた「VRTXバンド」をおすすめします。VRTXバンドは米国特許取得の新素材を使用しているため、切れにくく安全性が高いのです。また、負荷のかかり方が非常に滑らかであり、今までにない快適で質の高い刺激を与えることができます。
米特許取得の新感覚素材を採用。日本グッドデザイン受賞。切れにくく、肌に優しい。安全性と快適性を実現。
◉「VRTX BAND」の選ばれる理由- 肌触り良く、切れる心配なし: 米特許取得の新感覚素材を使用。切れにくく肌に優しい。ゴムチューブの劣化や肌への問題を解消し、トレーニング初心者でも安全かつ快適に利用可能。
- 幅広い強度バリエーション: 7段階の強度設定。1kgから91kgの負荷調整可能。初心者から上級者、老若男女を問わず、種目に応じてバンドを使い分け、多彩なトレーニングが実現。
- トレーニング動画100本以上を公開: 各領域のトレーナーが使用方法を紹介する動画を100本以上公開中。筋力トレーニングに限らず、ストレッチや競技パフォーマンス向上にも活用可能。
さらには、強度が「7段階(1〜91kgまで)」に分かれているため、初心者〜上級者まで幅広く対応可能です。ハンドボール用のチューブトレーニングの場合には、軽〜中程度の強度が適していますので、下記の目安を参考にして強度を選ぶと良いでしょう。
ハンドボールにはチューブトレーニングが最適!
ハンドボールを上達させるには筋力トレーニングが不可欠です。ただし、ハンドボールで役立つ筋肉を作るには、各ポジションに合わせた目的別のトレーニングでなければなりません。そして、それを実現できるのが「チューブトレーニング」なのです。
現在、さまざまな競技でチューブトレーニングが取り入れられ、パフォーマンスの向上に役立っています。筋力トレーニングのやり方で悩んでいるハンドボール指導者の方は、ぜひチューブトレーニングを取り入れ、選手たちのレベルアップに役立ててください!
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