コラム

レジスタンス運動の効果と方法を徹底解説!トレーニングチューブを活用したやり方も紹介

一般の方やアスリートの筋力トレーニングとしてはもちろん、糖尿病や腎臓病の患者さんの運動療法としても取り入れられている「レジスタンス運動」。低下した体力を向上させ、身体機能を高めるのに有効な運動です。

今回は、こうしたレジスタンス運動の効果や方法について詳しく解説します。また、トレーニングチューブを活用したやり方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

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この記事を監修した人
大久保孝一
VRTX編集部 | パーソナルトレーナー・健康運動実践指導者

この記事を監修した人
大久保孝一|パーソナルトレーナー/健康運動実践指導者

トレーナーとしての経験は32年あります。 これまで、初心者~アスリート・ボディビルダーまで、 約2000人のボディメイクのお手伝いをさせていただきました。 現在は、栃木・茨城・埼玉を中心に活動し、 独自の「最大筋収縮トレーニング法」を用いて、 関節に優しい筋トレのやり方を指導しています。

レジスタンス運動とは?

レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返す運動です。自分の体重やダンベル、トレーニングチューブなどを利用して行われます。

レジスタンスとは、日本語で「抵抗」の意味。筋肉は、かけられた負荷に抵抗することによって、より強くなろうとします。その結果、体力増強や筋力、筋肉の発達が可能となるのです。

レジスタンス運動と有酸素運動の違いは?

有酸素運動とは、筋肉への負荷が比較的軽く、長時間継続して行える運動です。そのため、運動しながら多くの酸素が体内に取り込まれます。すると、「脂肪」がエネルギーとして燃焼されるのです。

これに対して、レジスタンス運動のエネルギー源は「糖質」。食事などから摂った炭水化物が体内でブドウ糖に分解され、筋肉を動かすエネルギーとなるのです。

ただし、この方法では、エネルギーが作られるときに「乳酸」も作られてしまいます。乳酸の濃度が高まると筋肉が収縮できなくなるため、レジスタンス運動は比較的短時間で終わらせる必要があるのです。

レジスタンス運動の効果は?

では、レジスタンス運動の効果について見ていきましょう。具体的には下記の5つです。

1. 筋力の維持、向上

レジスタンス運動を継続すると、次第に筋力が向上し、今までよりも速く動けたり、重い物を持ち上げたりできるようになります。

筋力が低下すると体を思うように動かせなくなり、生活が制限されてしまうため、生活の質を高めるためにも、筋力の維持、向上はとても重要です。

2. 筋肉量の増加

筋力の向上に伴い、次第に筋肉量も増加し、胸板が厚くなったり腕が太くなったりなど、体が逞しくなってきます。30歳を過ぎて運動不足のままでいると、年に1%ずつ筋肉量が減少すると言われています。

特に下半身の筋肉量が減少すると、膝や腰への負担が大きくなり、体力の低下が加速してしまうので注意しましょう。

3. 基礎代謝が高まる

筋肉量が増加すると、基礎代謝も高まってきます。基礎代謝とは、心拍や呼吸、体温調節など、生命維持に必要な最低限のエネルギーです。

体では基礎代謝が常時行われており、1日の総消費エネルギーの約70%を占めています。そのため、基礎代謝が高まれば、1日のエネルギー消費量がアップし太りにくくなるのです。

4. 骨密度の増加

レジスタンス運動を継続すると、骨も丈夫になり骨密度が増加してきます。すると、骨粗しょう症を予防することができるのです。骨粗しょう症とは、骨がもろくなって骨折しやすくなってしまう病気。特に高齢の女性に多いので、早めの対策をとることが大切です。

5. 生活習慣病の予防、改善

自宅で手軽にできるレジスタンス運動は、生活習慣病の予防、改善策としても有用です。レジスタンス運動は糖質をエネルギーとして消費します。そのため、継続すると血糖値が下がり、糖尿病を予防、改善することができるのです。

また、高血圧や脂質代謝異常、肥満などを予防、改善させる効果も認められています。

レジスタンス運動の効果:
  1. 筋力の維持、向上
  2. 筋肉量の増加
  3. 基礎代謝が高まる
  4. 骨密度の増加
  5. 生活習慣病の予防、改善

レジスタンス運動の基本原則

次に、レジスタンス運動の基本原則について解説します。具体的には下記の5つ。トレーニング効果を高めるための重要なポイントです。

1. 過負荷の原則

筋肉を発達させるには、日常生活で受けている負荷よりも大きな負荷をかけなければなりません。一般の方は、最大筋力の80~70%の負荷(10~15回繰り返せる負荷)が効果的です。

筋肉は、適度な負荷で刺激することで発達します。大きすぎても小さすぎてもダメなのです。

2. 漸進性の原則

筋肉は、受ける負荷の大きさが少しずつ大きくなることで、より強くなろうとします。いつまでも同じ大きさの負荷をかけていたのでは、筋肉の発達は停滞してしまいます。

したがって、筋力の向上に合わせて、少しずつ負荷を増やしていく必要があるのです。

3. 継続性の原則

レジスタンス運動の効果は、継続しなくなると低下してしまいます。そのため、効果を維持するには、定期的に実施する必要があるのです。一般の方は、1〜2日おきに週3日を目安にするとよいでしょう。

筋線維が修復されるには、トレーニング後48〜72時間かかるからです。筋線維が修復されないまま続けていると、筋力、筋肉量が低下してしまうので注意してください。

4. 意識性の原則

鍛えている筋肉に意識を集中することで、トレーニング効果を高めることができます。筋肉を意識するには、反動をつけずにゆっくりと動かすようにしましょう。特に、負荷を下ろすときには、重さに抵抗しながらじわじわ下ろすようにすると効果的です。

5. 特異性の原則

トレーニング効果を高めるには、目的に応じて鍛える部位や種目を選択する必要があります。例えば、下半身を強化したいなら、太ももやお尻、ふくらはぎの種目を選択します。目的に応じた選択をすることで、効率よく鍛えることができ、効果も早く出せるのです。

【初心者向けレジスタンス運動】おすすめ動画3選

それでは、初心者向けのレジスタンス運動を紹介します。筋力が弱くても取り組みやすい運動ですので、無理のない範囲で行いましょう。下記の3本の動画が参考になります。

1. 下半身のトレーニング

【ポイントと注意点】

  • スクワットは、お尻を突き出すようにしながらしゃがむのがポイント。
  • フロントランジは、足裏全体で床を蹴って戻す。
  • カーフレイズは、踵を上げた状態で2〜3秒キープする。
  • 6種目連続で行うのがキツイ場合は、2〜3種目ずつに分けてOK。
2. 上半身のトレーニング(腕立て伏せ5種)

【ポイントと注意点】

  • 腕立て伏せは、体を真っ直ぐにした状態で行うのがポイント。
  • 動作スビートは、腕を2〜3秒で曲げて、2〜3秒で伸ばす。  
  • 腕を伸ばした状態で2〜3秒キープすると更に効果的。
  • 呼吸は、息を吸いながら腕を曲げ、吐きながら伸ばす。                         
3. 腹筋のトレーニング

【ポイントと注意点】

  • ドローインは、腹式呼吸(鼻から吸って口から吐く)で行う。
  • ミニクランチは、オヘソを見るようにして上体を丸めるのがポイント。
  • ミニデッドバグは、腰が反らないように注意。
  • 膝付きプランクは、お腹とお尻に力を入れたままキープする。
レジスタンス運動にはトレーニングチューブもおすすめ

筋力を向上させるには、筋肉にかかる負荷を少しずつ増やしていく必要があります。しかし、バーベルやダンベルだと、持った瞬間からずっしりと重く、初動から大きな負荷を受けやすいため、初心者や女性にとっては扱いにくい場合が多いのです。

そこでおすすめなのが「トレーニングチューブ」。トレーニングチューブであれば、ゴムの張力を利用した負荷であるため、初動では負荷が小さく、自分の筋力に応じて伸ばした分の負荷しかかかりません。

したがって、初心者や女性でもコントロールしやすく、正しいフォームを維持しやすいのです。トレーニングチューブは、体に優しい負荷のかかり方であるため、医療施設でのリハビリなどにも使用されています。

トレーニングチューブを活用したレジスタンス運動5選

トレーニングチューブを活用したレジスタンス運動を紹介します。下記の5種目を行うことで、全身を効率よく鍛えられますので、ぜひ参考にしてください。

1. スクワット

【鍛えられる部位】太もも・ふくらはぎ・お尻

【やり方】

  1. 両足を肩幅程度に開いてバンドを踏む
  2. 一旦しゃがみ、バンドを肩にかけて立ち上がる
  3. つま先を少し外側に向け、胸を張り、背筋を伸ばす
  4. 息を吸いながら2~3秒かけてしゃがむ
  5. しゃがむ深さは、ひざが90度になるくらいまで
  6. しゃがんだら、息を吐きながら2~3秒で立ち上がる
  7. 上記4から6を繰り返す
  8. 10~20回×2~3セットを目安に行う
2. 腕立て伏せ

【鍛えられる部位】胸・肩の前側・二の腕の裏側

【やり方】

  1. トレーニングチューブは背中を渡し、両脇下を通して両手に巻き付ける
  2. そのままの状態で腕立て伏せのスタート姿勢になる
  3. 手のひらを床につき、トレーニングチューブを手で押さえて固定する
  4. 腕を伸ばした状態で張力が感じられるように長さを調整する
  5. 両手の間隔は肩幅よりも少し広くし、身体を一直線にした姿勢になる
  6. 息を吸いながら、ゆっくりと腕を曲げていく
  7. 胸が床スレスレになるまで体を沈める
  8. 体を沈めたら、息を吐きながら力強く腕を伸ばしていく
  9. 上記6~8を繰り返す
  10. 10~20回×2~3セットを目安に行う
3. ベントオーバーロウ

【鍛えられる部位】背中・肩の後ろ側・二の腕の表側

【やり方】

  1. 両足を腰幅程度に開いてトレーニングチューブを踏む
  2. 上体を腰から前に傾けて、両手でトレーニングチューブの左右を握る
  3. 膝を軽く曲げてバランスを取り上体を安定させる
  4. 上体を固定したまま、息を吸いながらゆっくりと肘を後ろに引いていく
  5. 握り拳がお腹に触れるまで、肘をできるだけ後方へ引くようにする
  6. 肘を引いた状態で2~3秒キープする
  7. キープ終了後、息を吐きながらゆっくりと同じ軌道で元に戻す
  8. 腕を伸ばす際は、肘が伸び切る一歩手前で止めて切り返す
  9. 上記4~8を繰り返す
  10. 10~20回×2~3セットを目安に行う
4. ショルダープレス

【鍛えられる部位】肩まわり・二の腕の裏側

【やり方】

  1. 右足でトレーニングチューブの一端を踏み、もう一端を右手で握る
  2. 握り拳を耳の高さに持っていき構える(肘の角度は90度くらい)
  3. 背筋を伸ばし、左手は腰に当てておく
  4. 息を吐きながら、腕を天井に向けて伸ばしていく
  5. 腕を伸ばす際は、肘が伸び切る一歩手前で止めて切り返す
  6. 腕を伸ばしたら、息を吸いながらゆっくりと同じ軌道で元に戻す
  7. 上記4~6を繰り返す
  8. 右側が終了したら、左側も同様に行う
  9. 片側10~20回×2~3セットを目安に行う(1セットずつ交互に)
5. シッティングツイストクランチ 

【鍛えられる部位】お腹まわり(特に脇腹)

【やり方】

  1. トレーニングチューブを背中に回し、両端を手に引っ掛ける
  2. 脚を伸ばして床に座り、両足は適度に広げておく             
  3. まず、息を吐きながら、右手で左足のつま先をタッチする
  4. タッチした状態で、2~3秒間キープする
  5. キープ終了後、息を吸いながら元に戻す
  6. 次に、息を吐きながら、左手で右足のつま先をタッチする
  7. タッチした状態で、2~3秒間キープする
  8. キープ終了後、息を吸いながら元に戻す
  9. 上記3~8を、左右交互に1回ずつ繰り返す
  10. 片側10~20回×2~3セットを目安に行う
チューブトレーニングには「VRTXバンド」がおすすめ

ゴムチューブは劣化し切れる可能性があり、切れると怪我の危険性があります。特に年配の方は注意が必要です。

VRTXバンドは米国特許取得の新感覚素材を使用し、切れにくく肌に優しい素材を採用しています。これにより、ゴムチューブに関する問題を解決しました。初心者でも安心して使用でき、快適なトレーニング体験が可能です。

さらに、7段階の強度設定(1キロから64キロまで)があります。年配の方でも適切な負荷でトレーニングでき、進捗に合わせて徐々に強度を上げることができます。

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  2. 幅広い強度バリエーション: 7段階の強度設定。1kgから91kgの負荷調整可能。初心者から上級者、老若男女を問わず、種目に応じてバンドを使い分け、多彩なトレーニングが実現。
  3. トレーニング動画100本以上を公開: 各領域のトレーナーが使用方法を紹介する動画を100本以上公開中。筋力トレーニングに限らず、ストレッチや競技パフォーマンス向上にも活用可能。

まとめ

年齢を重ねるごとに、筋力や筋肉量は低下してきます。何も手を打たなければ、腹はドンドン出てきて、体力は衰退の一途をたどります。国民の体力向上に関して、国が対策に乗り出すご時世ですが、当の本人が気を付けなければ結局どうしようもないのが事実です。

体力を向上させるには、何かしらアクションを起こす必要があります。今回ご紹介したレジスタンス運動をぜひ実践していただき、年齢に負けない丈夫な体を手に入れましょう!

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