コラム

トレーニングチューブがコンディショニング役立つ理由とトレーニング方法を解説。

パフォーマンス向上に役立つとして、多くのアスリートが取り入れている「コンディショニング」。一般の方にとってはあまり馴染みがなく、何か難しい方法のように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

実は、トレーニングチューブを使用することで、自宅で手軽にコンディショニングができるのです。今回は、トレーニングチューブを使ったコンディショニングのやり方について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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この記事を監修した人
大久保孝一
VRTX編集部 | パーソナルトレーナー・健康運動実践指導者

この記事を監修した人
大久保孝一|パーソナルトレーナー/健康運動実践指導者

トレーナーとしての経験は32年あります。 これまで、初心者~アスリート・ボディビルダーまで、 約2000人のボディメイクのお手伝いをさせていただきました。 現在は、栃木・茨城・埼玉を中心に活動し、 独自の「最大筋収縮トレーニング法」を用いて、 関節に優しい筋トレのやり方を指導しています。

コンディショニングとは?

コンディショニングとは、運動競技において最上のパフォーマンスを発揮するために、身体の調子を良好な状態に整えることです。

昔からアスリートの間では、試合に向けてのコンディショニングは当たり前となっています。今では、一般の方が肩こりや腰痛などを改善し、身体の運動機能を高めることにも役立てられています。

コンディショニングも筋肉を強化することには変わりありません。ただし筋肉を大きくすることが目的ではなく、柔軟性や弾力性を高め、動きやすいしなやかな筋肉に調整するのが目的となります。

コンディショニングのカギは「インナーマッスル」の強化!

コンディショニングを行う際に重要となるのが「インナーマッスル」です。インナーマッスルを強化することで、身体の運動機能が高まります。では、インナーマッスルとはどのような筋肉なのか?その特徴を見ていきましょう。

アウターマッスルとインナーマッスルの違いとは?

筋肉には「アウターマッスル」と「インナーマッスル」があります。アウターマッスルとは、身体の表層部に位置する筋肉で、強い筋力を発揮し、大きな動作を行うときに使われます。筋肥大を目的とした一般的な筋トレで鍛えられるのは、この「アウターマッスル」です。

それに対して、インナーマッスルとは、身体の深層部に位置する筋肉です。発揮できる筋力は小さいですが、関節や内臓の位置を安定させ、正しい姿勢を保持したり複雑な動きをサポートしたりしています。ただし、一般的な筋トレでは使われにくいため、強化するには、別のアプローチ方法が必要となります。

複雑な動きに対応するのはインナーマッスル

コンディショニングでターゲットとなる筋肉は「インナーマッスル」です。アウターマッスルを鍛えているだけでは、スポーツなどで生じる複雑な動きに対応するのが難しくなります。

例えば、体幹のブレを少なくして腕や脚の動きをよくしたり、身体のバランスを維持して疲れにくくしたりするには、インナーマッスルの強化が必要です。

つまり、アウターマッスルが苦手とする複雑な動きをインナーマッスルがカバーすることで、身体のさまざまな動きに対応できる運動機能が備わるわけです。

インナーマッスルを強化するポイントは?

インナーマッスルを強化するには、「低負荷×高回数」でのアプローチが重要です。また、ゆっくり動かすことで、インナーマッスルの稼動率をより高めることができます。

インナーマッスルは小さく、発揮できる筋力も低いですが、持久力に優れ疲れにくい筋肉であるため、軽い重量でゆっくり動かし続けた方が、刺激しやすくなるのです。

トレーニングチューブがコンディショニングに役立つ理由

コンディショニングを行う際に、おすすめしたいギアが「トレーニングチューブ」です。トレーニングチューブを使うことによって、一般の方でもインナーマッスルを強化しやすくなり、自宅で手軽にコンディショニングが可能となります。

トレーニングチューブを使った筋トレでは、初動では負荷が小さく、伸びるに従って少しずつ負荷が強まります。また、チューブを無理して伸ばさなければ、必要以上に負荷が強まることはありません。したがって、無理な負荷がかかることはなく「低負荷×高回数」が可能となるのです。

更には、チューブの張力を利用した負荷は、バーベルやダンベルに比べて、筋肉や関節に優しいかかり方をします。そのため、筋肉や関節の動きを意識しながらゆっくり動かすことができ、インナーマッスルへの刺激をより強められるのです。

トレーニングチューブ(VRTXバンドの例)は7段階に強度が分かれていますので、コンディショニングを目的とする場合には、「強度00(1~7kg)」~「強度1(14~23kg)」の中から、自分のレベルに合ったバンドを選ぶとよいでしょう。

トレーニングチューブを使ったコンディショニングトレーニング方法

インナーマッスルは全身にありますが、その中でも特に、コンディショニングにとって重要となるのが、首・肩甲骨・腹・股関節まわりのインナーマッスルです。今回は、これらの部位の、VRTXバンドを使ったコンディショニングトレーニング方法を紹介します。

1.首まわりのコンディショニングトレーニング

首まわりのインナーマッスル(頭板状筋など)が強化されると、頭部が安定し身体のバランスを取りやすくなります。

人間は、頭の位置を瞬時に移動させることでバランスを取っているため、身体の運動機能を向上させるには、首まわりのインナーマッスルが重要なのです。

では、首まわりのコンディショニングトレーニングを紹介します。

首まわりのコンディショニング

  1. 背筋を伸ばして真っ直ぐ立つ
  2. 両手でチューブを短めに持つ
  3. そのままバンドを後頭部に回す
  4. チューブを左右に引っ張った状態にする
  5. 左右に引っ張ったまま、両手を頭の前に移動させる
  6. その状態から、正面を向いたまま頭だけをゆっくり前に出す
  7. このとき、手や肩を動かさないようにする
  8. 頭だけを前に出したら、ゆっくり戻す
  9. 呼吸は止めずに行う
  10. 15~20回×2~3セット行う

2.肩甲骨・股関節まわりのコンディショニングトレーニング

肩甲骨まわりには「棘上筋(きょくじょうきん)」「棘下筋(きょっかきん)」などのインナーマッスルがあり、肩や腕を動きやすくしています。

また、股関節まわりには「腸腰筋群(ちょうようきんぐん)」「内転筋群(ないてんきんぐん)」のインナーマッスルがあり、脚を動きやすくしています。四肢の動きをよくすることは、身体の運動機能を高める上で不可欠です。

では、肩甲骨・股関節まわりを強化できるコンディショニングトレーニングを紹介します。

肩甲骨・股関節まわりを強化できるコンディショニング

  1. 左足のつま先にバンドを引っ掛ける
  2. 四つん這いになり右手でバンドを持つ
  3. 右手と左足でバンドを引っ張った状態にする
  4. その状態から、右手と左足をゆっくり伸ばす
  5. 手は前方へ、足は後方へ向かってしっかり伸ばす
  6. 右手と左足を伸ばしたら、ゆっくり戻す
  7. 呼吸は止めずに行う
  8. 15~20回×2~3セット行う
  9. 反対側も同様に行う

3.腹まわりのコンディショニングトレーニング

体幹を安定させる上で重要となるインナーマッスルが「内腹斜筋」。脇腹の深層部に位置し、主に上体をひねる、横に曲げる働きをしています。内腹斜筋が強化されると、スポーツにおける身体の複雑な動きに対応しやすくなります。

下記コンディショニングトレーニングを行うことで、内腹斜筋を含む腹まわりのインナーマッスル強化が可能です。

腹まわりのコンディショニング

  1. チューブを両手の親指に引っ掛ける
  2. まず、四つん這いになる
  3. 脚を横に大きく開きバランスをとる
  4. 片方の手を床から浮かせる
  5. 浮かせた手を伸ばしながら胸を開きバンドを伸ばす
  6. 上体が真横を向き、両腕は伸ばされた状態となる
  7. 上記の状態になったら、ゆっくり戻す
  8. 呼吸は止めずに行う
  9. 15~20回×2~3セット行う
  10. 反対側も同様に行う

まとめ

トレーニングチューブを使ったコンディショニングは、アスリートはもちろん、一般の方にも役立ちます。VRTXバンドを使用することで運動機能を向上させ、動きやすく疲れにくい身体を作れるのです。

しかも、インナーマッスルは回復が早い筋肉であるため、毎日トレーニングすることも可能であり、一般的な筋トレよりも効果を実感しやすくなります。1~2ヵ月後を目標にして取り組めば、身体が動きやすくなる、疲れにくくなるなどのコンディショニング効果が期待できるでしょう。

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