コラム

ストレッチで得られる効果は?チューブストレッチ8選とおすすめポイントも紹介

筋肉を伸ばし体を動かしやすくする「ストレッチ」。しかし、ストレッチは、スポーツや筋トレをする人のためだけのエクササイズではありません。一般の人たちにとっても、日常生活をより快適でアクティブなものとするために、とても重要なのです。            

会社では長時間のデスクワークで座りっぱなし、家に帰ればテレビやパソコンの前でフリーズ。そんな生活を続けていたのでは、当然体はなまり筋肉を動かしにくくなってきます。その結果、肩こり、腰痛、猫背、股関節の硬化など、様々な体の不調が出てくるのです。    

そこで今回は、「ストレッチ」に着目し、その効果とやり方を詳しく解説します。また、チューブを使ったストレッチも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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この記事を監修した人
大久保孝一
VRTX編集部 | パーソナルトレーナー・健康運動実践指導者

この記事を監修した人
大久保孝一|パーソナルトレーナー/健康運動実践指導者

トレーナーとしての経験は32年あります。 これまで、初心者~アスリート・ボディビルダーまで、 約2000人のボディメイクのお手伝いをさせていただきました。 現在は、栃木・茨城・埼玉を中心に活動し、 独自の「最大筋収縮トレーニング法」を用いて、 関節に優しい筋トレのやり方を指導しています。

ストレッチで得られる5つの基本効果

まずは、ストレッチで得られる基本効果を見ていきましょう。具体的には下記の5つ。

1.筋肉が発達しやすくなる

筋肉が凝り固まったまま筋トレを行っても、筋肉を上手く使えず効果が出にくくなります。しかし、ストレッチで筋肉がほぐれると、筋肉の使用率が高まり、効果が出やすくなるのです。

2.脂肪が燃焼されやすくなる

ストレッチを行うと血行がよくなり、血管内に蓄積された余分な脂肪が体外に排出されやすくなります。すると、脂肪細胞が小さくなり、燃焼されやすくなるのです。

3.基礎代謝が上がり太りにくくなる

全身の血行がよくなると、体温(平熱)が上昇しやすくなります。そして、体温が1度上がると基礎代謝が約13%アップするため、カロリー消費量が増加し、太りにくくなるのです。

4.肩こり・腰痛が改善される

血行がよくなると、血管内に蓄積して神経を刺激していた老廃物が排出されやすくなります。すると、肩や腰のこわばりやだるさ、痛みといった症状が緩和されてくるのです。

5.運動中のケガを予防できる

運動中のケガは、体に返ってくる衝撃をまともに受けてしまうのが主な原因。しかし、筋肉の柔軟性が高まれば、衝撃を上手く吸収して分散させ、ケガを防ぐことができるのです。

チューブを使用してストレッチするメリット

チューブを使用してストレッチを行うと、ゴムに引っ張られて関節可動域が広がるため、自身だけで行うよりも筋肉を伸ばしやすくなります。

また、ゴムは伸びるに従って少しずつ張力が強まるので、急に強い力で引っ張られることはなく、適度な力でじわじわと引っ張られる感じとなります。そのため、筋肉が無理なく伸ばされ、安全に筋肉の柔軟性を高めることができるのです。

ストレッチをしているけど、今ひとつ筋肉が伸ばされている感じがしない人や、安全な方法で関節可動域をもっと広げたい人は、ぜひ、チューブストレッチを試してみてください。

おすすめチューブストレッチ8選

それでは、おすすめのチューブストレッチを紹介します。具体的には下記の8種。まずは、自分に必要と思われるストレッチを2~3種選び、「動画」を参考にしながら行ってみましょう。

1.首まわりのストレッチ

【おすすめポイント】
首のハリやこりが気になって仕事や勉強に集中できない人や、ただ前を向いているだけでも首の辺りが疲れると感じている人におすすめのストレッチです。

首を前に倒すことで、首の後ろ側にある「後頭下筋(こうとうかきん)」がほぐれます。また、首を左右に倒すことで、耳の真下から鎖骨に向かって伸びている「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」がほぐれるのです。

首まわりの筋肉がほぐれ血行がよくなると、首の慢性的疲労の予防・改善につながります。更には、首が引き締まって細く見える、二重あごが解消されフェイスラインがスッキリ見えるなどの効果も期待できます。

2.肩まわりのストレッチ

【おすすめポイント】
肩がこりやすい人や、腕が上がりにくいと感じている人におすすめのストレッチです。

肩のストレッチを行うことで、肩甲骨周辺の筋肉がほぐれ、肩関節の可動域が広がります。すると、肩こりの解消に繋がると共に、猫背や巻き方などの改善にも役立つのです。

また、肩甲骨と腕は連携して動いているので、腕を使って物を投げる・物を押すなどの動きを伴うスポーツのパフォーマンスも向上します。

3.体側のストレッチ

【おすすめポイント】
猫背になりやすい人や、座っていると腰が痛くなりやすい人におすすめのストレッチです。

体側のストレッチを行うと、脇腹にある「腹斜筋(ふくしゃきん)」や「腹横筋(ふくおうきん)がほぐれ、血行がよくなります。すると、体幹を伸ばしやすくなるため、猫背の改善に繋がるのです。

また、体を反らしたりひねったりする動作がしやすくなり、腰まわりの筋肉への負担が軽減されるため、腰痛の改善・予防にも役立ちます。更には、体幹を伸ばしやすくなることで、胸郭が広がり、深い呼吸がしやすくなります。

4.二の腕のストレッチ 

【おすすめのポイント】
二の腕の裏側のたるみが気になる人や、腕が重たく感じる人におすすめのストレッチです。

二の腕のストレッチを行うことで、二の腕の裏側~脇の下にかけての筋肉がほぐれ、血行がよくなります。すると、余分な脂肪や水分が押し流され、二の腕の引き締めやむくみの改善に繋がるのです。

また、腕が軽くなり動かしやすくなることで、肩や首まわりの負担が軽減され、肩こりや首こりの改善にも役立ちます。

5.太もも前面のストレッチ

【おすすめのポイント】
下半身がむくみやすい人や冷えやすい人、反り腰の人におすすめのストレッチです。

太もも前面のストレッチを行うと、体の中で最も大きい筋肉である「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」がほぐれ、血行がよくなります。

サイズが大きい大腿四頭筋がほぐれると、体温(平熱)が上昇しやすくなり、体内の水分循環の促進につながるため、冷え性やむくみの解消に繋がるのです。

また、太ももの前面の柔軟性が高まることで、反り腰の改善にも役立ちます。太もも前面のストレッチは、ジャンプや跳躍を含むあらゆるスポーツに非常に重要です。

6.太もも内側のストレッチ

【おすすめポイント】
腰痛がある人やO脚の人、内もものたるみが気になる人におすすめのストレッチです。

太もも内側のストレッチを行うと、「内転筋(ないてんきん)」がほぐれます。内転筋は骨盤と繋がっているため、内転筋がほぐれると、骨盤が正常な位置に保持されやすくなり、腰痛の改善に繋がるのです。

また、骨盤のゆがみが改善されると、脚が外側に広がるのを防げるようになるため、O脚を改善することもできます。内ももの周辺には体脂肪が溜まりやすいですが、内転筋の血行がよくなり活性化することで、まわりの脂肪が燃えやすくなり、たるみの解消にも繋がります。

7.股関節まわりのストレッチ

【おすすめのポイント】
股関節が硬く脚が動かしにくいと感じている人、特に、長時間椅子に座って作業をしている人にはおすすめのストレッチです。

股関節が柔らかくなることで、脚の動きがよくなり、ダイナミックな動作ができるなど、運動パフォーマンスの向上に繋がります。

また、股関節周辺には、太い血管やリンパ管が走っているため、血行がよくなると、余分な脂肪や水分、老廃物が体外へと排出されやすくなるのです。すると、体脂肪の減少やむくみの解消に繋がり、体全体が引き締まってきます。

8.お尻のストレッチ

【おすすめのポイント】
腰痛がある人や、お尻が垂れ気味の人におすすめのストレッチです。

お尻のストレッチを行うと、お尻全体を覆っている「大臀筋(だいでんきん)」や、お尻の上部にある「中臀筋(ちゅうでんきん)」がほぐれ、血行がよくなります。お尻の筋肉は骨盤を包んでいるため、お尻の筋肉がほぐれると、骨盤の歪みが改善され、腰痛や腰の疲労が緩和されてきます。

また、お尻の筋力が高まることで、垂れ尻を防ぎ、上向きの美尻を作りやすくなるのです。

ストレッチの注意点

最後に、ストレッチを行う際の注意点を解説します。具体的には下記の5点。

1.反動をつけないこと

反動をつけて伸ばすと「伸張反射」が起きて、逆に筋肉が伸びにくくなってしまいます。

筋肉には「伸張反射」と呼ばれる特徴があり、伸ばそうとする力が強まるほど、縮もうとする力も強まります。そのため、反動をつけて強く伸ばそうとすると、伸張反射が強まり、逆に筋肉が伸びにくくなってしまうのです。

ストレッチする際は、反動をつけずに伸ばし、伸張反射を起こさないことが大切です。

2.意識を散らさないこと

人間の体は、複数の筋肉や関節がお互い補助し合いながらベストな動作をしています。そのため、ターゲットとする筋肉を意識しないで伸ばしていると、他の筋肉や関節が動作を補助してしまい、目的とする筋肉のストレッチ率が下がってしまうのです。

したがって、ストレッチの最中は意識を散らさずに、伸ばしている筋肉に対して意識を集中することが大切です。

3.伸ばし過ぎないこと

筋肉の伸ばし過ぎ(オーバーストレッチング)は、様々な問題を引き起こします。例えば、筋肉組織が損傷し、ひどい場合には炎症を起こし、痛みや腫れの症状が出てきます。炎症を起こした筋肉は硬くなってしまい、ストレッチ効果が全くなくなってしまうのです。

したがって、「伸ばし過ぎ」は禁物。体が硬い人は初めから可動域を広げようとせず、体が慣れてきたら、少しずつ可動域を広げていくようにしましょう。感覚としては、ちょっと痛いけど我慢できる「イタ気持ちいい程度」がベストてす。

4.呼吸を止めないこと

呼吸を止めてしまったり浅い呼吸になったりしてしまうと、心と身体を活発にする「交感神経」の方が優位に働くため、筋肉が伸びにくくなってしまいます。            逆に、ゆっくりと長く呼吸すると、心身をリラックスさせる「副交感神経」が優位に働くため、筋肉が伸びやすい状態になるのです。

ストレッチ効果を高めるには呼吸法が非常に重要になるので、途中で苦しくならないよう、意識してゆっくりと長く呼吸することが大切です。

5.パッパッとすばやくやらないこと

ストレッチは、じわじわと筋肉を伸ばすのが基本です。パッパッとやったのでは、筋肉を十分に伸ばすことができず、ストレッチ効果が得られません。

目安としては、同じ姿勢を10〜30秒はキープするようにします。あるいは、動きを伴うストレッチの場合には、反動をつけずにゆっくりと動かすようにしてください。

筋肉がゆっくりと伸ばされると、「腱紡錘(けんぼうすい)」という「伸び感センサー」が働き出し、腱にかかる張力を感知して筋肉を緩ませるのです。

まとめ

ストレッチは、自分のペースでOKだし、スポーツや筋トレの前後に限らず、仕事の合間やお風呂上りなど、いつでもどこでも取り組むことができます。筋肉をほぐし関節可動域を広げるストレッチは、トレーニングや日常生活における動作の効率を高めるのに欠かせないエクササイズです。

ぜひ、今回紹介した「チューブストレッチ」を取り入れ、筋肉を動きやすくすることで、体の機能を最大限に高めてください。

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