コラム

背筋の鍛え方|広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋に効く最重要3種目

背中は上半身のなかで最も大きな筋肉群であり、しっかり鍛えると「見た目のたくましさ」「姿勢の改善」「基礎代謝アップ」など多くのメリットがあります。しかし、背中は自分の目では確認しにくいため、「なんとなく効いていない気がする」という人が多い部位でもあります

この記事では、背中を構成する主要4筋肉(広背筋・僧帽筋・大円筋・脊柱起立筋)それぞれの役割を整理したうえで、各筋肉に効く最重要3種目を解説します。自重・ダンベルでできる補助種目や、初心者向けの週間プログラムの組み方も紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

[画像のタイトル]

この記事を監修した人
大久保孝一
VRTX編集部 | パーソナルトレーナー・健康運動実践指導者

この記事を監修した人
大久保孝一|パーソナルトレーナー/健康運動実践指導者

トレーナー歴34年。明治大学卒業後、セントラルスポーツにてトレーナーとして勤務。その後、パーソナルトレーナーとして独立。これまでに、初心者〜スポーツ選手まで2000名以上の筋トレやダイエット、コンディショニングを担当。また、医療機関での運動プログラムの作成・トレーニングの指導にも携わる。

背中の筋肉マップ|4つの筋肉の位置と働き

まず、背中を構成する主要4筋肉の「位置」「働き」「対応種目」を一覧で把握しておきましょう。この整理が、正しいフォームで効かせるための第一歩です。 

筋肉名

位置

主な働き

対応する主な種目

広背筋

脇の下〜腰

腕を後下方に引く・脇を閉める

ベントオーバーロウ・ラットプルダウン

僧帽筋

首の付け根〜肩甲骨

肩甲骨を寄せる・引き上げる

ベントオーバーロウ・デッドリフト・シュラッグ

大円筋

肩甲骨〜上腕骨(脇の下)

腕を後方に引く・内旋させる

ベントオーバーロウ・プルオーバー

脊柱起立筋

背骨に沿って縦走

体幹を反らす・姿勢保持

デッドリフト・バックエクステンション

広背筋:背中の「広がり」を作る最重要筋肉

脇の下から腰にかけて広がる大きな筋肉です。腕を後方に引く動作(ロウイング・プルダウン系)で強く収縮します。背中のシルエットを大きく左右するため、背中トレーニングでは最優先で鍛えたい筋肉です

僧帽筋:姿勢を整える首〜肩甲骨の筋肉

首の付け根から肩甲骨にかけて広がる筋肉で、上部・中部・下部の3エリアに分かれています。肩甲骨を寄せたり引き下げたりする動作で働き、猫背の改善にも直結します

大円筋:広背筋を補助する脇下の筋肉

肩甲骨と上腕骨をつなぐ筋肉で、広背筋と協調して腕を後方に引く動作を助けます。単独で意識するのは難しいですが、広背筋種目で一緒に鍛えられます。

脊柱起立筋:姿勢の要となる背骨沿いの筋肉

背骨に沿って縦に走る細長い筋肉群(腸肋筋・最長筋・棘筋)です。上体を起こす・反らす動作で働き、体幹を後面から安定させます。デッドリフトやバックエクステンションで鍛えられます。

背中を鍛える5つのメリット

背中を鍛える主なメリットは下記の5つです。詳しく見ていきましょう。

1. 上半身の筋肉を効率よく増やせる

広背筋のトレーニングは、広背筋を中心に背中全体、さらに上腕二頭筋・三角筋後部まで連動して鍛えられます。一度に複数の筋肉に刺激を与えられるため、上半身の筋肉を効率よく増やすのに最適です

2. 基礎代謝が上がり、太りにくくなる

大きな筋肉群を鍛えると基礎代謝が向上します。基礎代謝は1日の総消費エネルギーの約60〜70%を占めるため、背中を鍛えることは「何もしていない時間でも脂肪を燃やしやすい体」をつくることに直結します

3. 猫背・反り腰などの姿勢が改善される

背中の筋肉(特に僧帽筋・脊柱起立筋)を鍛えると、体幹が安定し肩が正しい位置に保たれるようになります。デスクワークや長時間のスマートフォン使用で崩れた姿勢の改善にも効果的です。

4. 男性はたくましい背中で印象アップ

広くて厚みのある背中は、正面からは見えない部位ながら、後ろ姿の印象を大きく左右します。特に広背筋が発達すると逆三角形のシルエットが生まれ、たくましさが際立ちます

5. 女性はビーナスラインで美しい背中に

女性が背中を鍛えると、背中の中央に縦線(ビーナスライン)が現れます。オープンバックのドレスや水着を着たときに美しさが際立ちます。ダイエットと背中トレーニングを併用することで、引き締まった美しい背中が形成されます。

背筋トレーニングの最重要3種目|どの筋肉に効くかを整理

背中トレーニングの核となる3種目を紹介します。それぞれ「鍛えられる筋肉」と「背中への効果の方向性」が異なるため、3種目を組み合わせることで背中全体を網羅的に鍛えられます。

種目1:ベントオーバーロウイング|背中全体に「厚み」をつける

対象筋肉

広背筋・僧帽筋・大円筋・上腕二頭筋

主な効果

背中全体への厚みづくり

難易度

中級|★★★☆☆

上体を床と平行に近い角度まで前傾し、バーベル(またはダンベル)を垂直に引き上げる種目です。肘を後方に引く動作が広背筋の収縮を生み出します。重量よりもフォームを優先することが重要です

【効果を高めるポイント】

  • 上体はできるだけ床と平行に保つ
  • バーベルは垂直に引き上げ、同じ軌道で戻す
  • 肘を後方にしっかり引き切り、2〜3秒キープする
  • 力強く引き上げ、ゆっくり(2〜3秒かけて)戻す
  • 引き上げ時に息を吸い、戻す時に息を吐く
【よくある失敗と対策】
  • ❌ 肘の引きが浅い → ◎重量を落としてでも肘を引き切る
  • ❌ 腰を丸めて引き上げる → ◎胸を張り、腰椎のニュートラルを保つ
  • ❌ 反動を使って振り上げる → ◎背中の収縮で引き上げることを意識する
種目2:ラットプルダウン|広背筋の「広がり」をつくる

対象筋肉

広背筋(主)・大円筋・上腕二頭筋

主な効果

逆三角形のシルエット(広がり)形成

難易度

初中級|★★☆☆☆

専用マシンを使い、バーを上から引き下ろすことで広背筋に効かせる種目です。「上から腕を引きつける」動作が広背筋に特有の「広がり」を与えます。懸垂ができない方の代替・入門種目としても最適です。

【効果を高めるポイント】

  • グリップは肩幅よりやや広め
  • 胸を張り、背中をやや反らせた姿勢でバーを引く
  • バーを引きつける位置は鎖骨の下あたり
  • 肘は真下でなく、斜め後ろに引くイメージ
  • 引きつけた状態で2〜3秒キープ
【よくある失敗と対策】
  • ❌ 上体を後ろに倒す反動でバーを引く → ◎背中の収縮を意識して引く
  • ❌ 腕を完全に伸ばしきる → ◎伸び切る手前で折り返し広背筋の緊張を保つ
種目3:デッドリフト|脊柱起立筋と下半身を同時に強化

対象筋肉

脊柱起立筋(主)・広背筋・臀筋・ハムストリングス

主な効果

背中全体の厚みと体幹・下半身の強化

難易度

中上級|★★★★☆

床に置いたバーベルを股関節伸展を使って引き上げる種目です。脊柱起立筋を中心に、背中全体と下半身を同時に鍛えられる、筋トレのなかでも特に多くの筋肉を動員する「コンパウンド種目」の代表格です

【効果を高めるポイント】

  • 胸を張り、背中を真っすぐに保ったまま立ち上がる
  • バーベルは体のできるだけ近くを通る軌道で引き上げる
  • すね→太もも→脚の付け根と、体前面に沿わせるイメージ
  • 立ち上がりながら肩甲骨を寄せ、フィニッシュで背中を収縮させる
  • 力強く引き上げ、ゆっくり戻す
【よくある失敗と対策】
  • ❌ 腰を丸めたまま引き上げる → ◎腰椎のニュートラルを保つことが最重要
  • ❌ 引き上げ時に腕を曲げる → ◎腕は「フック」として使い、背中で引く
  • ❌ いきなり重い重量を使う → ◎必ず軽い重量でフォームを習得してから

自重・ダンベルでできる補助種目

ジムのマシン・バーベルが使えない環境でも、以下の種目で背中を十分に鍛えられます。上記3種目と組み合わせることで、より多角的なアプローチが可能です。

自重種目4選

① チンニング(懸垂)

広背筋・上腕二頭筋を鍛える最強の自重種目。胸を張り、背中を弓なりにしながら体を引き上げます。引き上げた状態で2〜3秒キープ。体がスイングしないよう注意。

② インバーテッドロウイング(斜め懸垂)

懸垂バーやテーブルを使って斜め下から体を引き上げる種目。胸を張り体を真っすぐに保ちながら引きつけます。懸垂ができない人の入門種目として最適

③ リバースエルボープッシュアップ

上半身を起こしながら肩甲骨を寄せていく種目。起こした状態で2〜3秒キープ。腹筋に力を入れすぎないことがポイント

④ バックエクステンション

うつ伏せになり両手足を浮かせて脊柱起立筋を鍛える種目。顔は下に向けたまま。浮かせた状態で2〜3秒キープ。背中を無理に反らさないことが大切

ダンベル種目4選

① ワンハンドダンベルロウイング

ベントオーバーロウと同様の動作を片手で行う種目。脇を閉めてダンベルを引き上げ、肘をできるだけ後方に引きます。可動域が広く取れるため、広背筋への収縮感を得やすいのが特徴

② ダンベルシュラッグ

僧帽筋上部に集中して効かせる種目。息を吸いながら肩を引き上げ、吐きながら下ろします(呼吸が逆になると首を痛めやすいので注意)。引き上げた状態で2〜3秒キープ。

③ ダンベルリバースフライ

上体を前傾30度程度にして両腕を横に開く種目。僧帽筋中部・菱形筋・三角筋後部に効きます。上半身を固定したまま動作することがポイント

④ ダンベルプルオーバー

仰向けでダンベルを頭上から引き上げる種目。脇の下を伸ばす感覚でダンベルを下ろし、無理に深く下ろしすぎないこと。息を吸いながら下ろし、息を吐きながら引き上げます

初心者向け背筋トレーニングプログラムの組み方

トレーニングプログラムを立てる上で大切なのは、種目・負荷・量・頻度の4要素です。それぞれの要素について解説しますので、参考にしてください。

種目の選び方:最初は2種目でOK

背中のトレーニングは体力消耗が大きいため、初心者は2種目から始めるのが適切です。1種目はロウイング系(引く動作)を必ず入れましょう。

✅️【おすすめの2種目組み合わせ例】
  • 組み合わせA:ベントオーバーロウイング + ラットプルダウン(ジム向け)
  • 組み合わせB:ワンハンドダンベルロウイング + バックエクステンション(自宅向け)
  • 組み合わせC:ベントオーバーロウイング + デッドリフト(筋力アップ重視)
負荷の設定:正しいフォームで10〜15回できる重さ

重さよりもフォームを優先してください。正しいフォームを維持しながら10〜15回繰り返せる負荷が適切です。余裕をもって15回できるようになったら、少しずつ重量を上げていきましょう。

セット数・インターバル
  • セット数:1種目につき2〜3セットが目安
  • インターバル:セット間は1〜2分
  • セット数が多すぎると筋肉が回復しづらくなるため注意
頻度:週2〜3回がゴールデンスタンダード

筋トレによる筋損傷の回復には48〜72時間かかります。したがって週2〜3回、1〜2日おきのトレーニングが理想的です

✅️【週間スケジュール例】
  • 週2回:月・木 または 火・金
  • 週3回:月・水・金 または 火・木・土
よくある質問(Q&A)

Q: 背筋は毎日鍛えてもいいですか?

A: 基本的にはNGです。筋トレによる筋損傷の回復には48〜72時間が必要なため、毎日続けると回復が追いつかず筋肉が成長しにくくなります。週2〜3回を目安に、1〜2日の回復日を挟むスケジュールが最も効果的です

Q: 背中を鍛えても「効いている感じ」がしないのはなぜですか?

A: 背中は自分の目で確認しにくいため、どの筋肉をどの動作で収縮させているかイメージしにくいことが原因です。まず本記事の「筋肉マップ」で各筋肉の位置を把握し、種目ごとに「今どこを収縮させているか」を意識しながら行うことで改善できます。鏡や動画を活用してフォームを確認するのも有効です。

Q: 初心者でもデッドリフトをやって大丈夫ですか?

A: デッドリフトは多くの筋肉を鍛えられる優れた種目ですが、フォームが崩れると腰へのリスクがあります。初心者はまず軽い重量(空バーや5〜10kg程度)でフォームを習得することを最優先にしてください。不安な場合は、ワンハンドダンベルロウイングやバックエクステンションから始めるのがおすすめです

Q: 背中トレーニングに懸垂(チンニング)は必須ですか?

A: 懸垂は広背筋への効果が高い優れた種目ですが、初心者には難しい場合があります。ラットプルダウンやワンハンドダンベルロウイングで十分に代替できますので、必須ではありません。まず引く動作の基本フォームを身につけ、筋力がついてきたら懸垂に挑戦するのがおすすめです。

Q: 広背筋と脊柱起立筋、どちらを優先して鍛えればいいですか?

A: 目的によって異なります。「見た目の改善(逆三角形)」が目標なら広背筋優先でロウイング・プルダウン系を中心に。「姿勢の改善・腰痛予防」が目標なら脊柱起立筋優先でデッドリフト・バックエクステンションを中心に組みましょう。理想的には両方をバランスよく鍛えることです

トレーニングバンドで背中を鍛える|バーベル・ダンベルが難しい方へ

「バーベルやダンベルは少し敷居が高い」「自宅で静かにトレーニングしたい」という方には、トレーニングバンド(チューブ)が有効な選択肢です。

トレーニングバンドの主なメリット
  • コンパクトで持ち運びやすく、継続しやすい
  • 初動の負荷が軽く、関節への負担が少ない
  • 床や壁を傷つける心配がない

一般的なゴム製チューブは直射日光・高温多湿な環境での劣化や、使用中の断裂リスクがあります。安全性と耐久性を重視するなら、布繊維とゴム繊維の混紡素材(米国特許取得)を使用したVRTXバンドも選択肢の一つです。

  • 7段階の強度(約1〜91kg相当)から選べるため、初心者から上級者まで対応
  • 切れにくく、肌触りが柔らかい
  • グッドデザイン賞2023受賞・丸洗い可能
VRTXバンドで、どこでも本格トレーニングを始めませんか?

忙しい30〜50代にこそおすすめ。ジムに行けない日でも、自宅や出張先で本格トレーニングが可能。安全・快適に鍛えられる次世代フィットネスバンド「VRTX」


「VRTX BAND」が選ばれる理由

1. ジム級のトレーニングが自宅で可能:1kg〜91kgの7段階負荷で、筋肥大からリハビリまで対応。プロも納得のトレーニング効果。

2. 指導者が選ぶ信頼の品質: 米特許取得の特殊素材で長持ち&肌に優しい。日本グッドデザイン賞受賞の高品質が安心感を生む。300人以上のトレーナーが推奨。

3. 初心者でも安心のサポート体制:100本以上のトレーニング動画が揃っているから、迷わず使えてすぐに実感。

まとめ|背中トレーニングを始めるための3ステップ

背中は上半身最大の筋肉群であり、鍛えることで見た目・姿勢・代謝のすべてに好影響を与えます。まず以下3ステップで取り組んでみてください。

  1. 筋肉マップを確認し、「広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋」の位置と動きをイメージする
  2. 最重要3種目(ベントオーバーロウ・ラットプルダウン・デッドリフト)から2種目を選び、週2〜3回実施する
  3. 各種目で「どの筋肉を収縮させているか」を意識しながら行い、15回できるようになったら重量を上げる

継続することで、広くて厚みのある理想の背中に近づいていきます。まずは今日から1種目、取り組んでみてください。



トレーニングを、もっと自由に。
この記事をシェア